JP1を止めないために!障害対策はどうするべきか?

    みなさんこんにちは。
    私はサイオステクノロジー金融担当のプリセールスエンジニア 宇野です。

    普段の業務の中では、システムによって自動化生成されたデータを利用し、業務の効率を上げている仕組みを皆さんでも利用されていると思います。バックアップや日次、月次の売上レポートなど、様々な部分でシステムが自動的に業務を行います。
    ある日これらの機能がシステム障害によって稼働しなくなった場合、業務にどれほど多大な影響を与えるでしょうか?
    特に金融業界での近年にみられるシステムトラブルは、社会に与える影響が大きく、世間を騒がせることにもなります。

    このようなITシステムの稼働監視、業務自動化、IT資産管理など多岐にわたるITシステム管理として知られているソフトウェアとしてJP1が有名です。
    これらのソフトウェアは定常的、かつ自動的に実施されることで日々の業務の効率化を支えています。
    実際の導入事例では、これまで手動で実行していた複数のスクリプトをJP1で自動化、順序化する仕組みを導入することで、複雑な作業から解放され、操作ミスも防げるようになるという紹介がされております。

    このようなJP1のシステムでもサーバーやプロセスで障害が発生すると、他のシステムの監視処理や自動化システムが停止してしまい、ITシステムの管理に支障をきたしてしまいます。
    今回は障害が発生してもJP1を自動的に復旧するHAクラスターソフトウェア / LifeKeeperについて紹介します。

    JP1のクラスター対応とSIOSが提供するJP1 専用スクリプト

    HAクラスターソフトウェアであるLifeKeeperJP1の継続性、耐障害性を高める役割を担うことができます。
    HAクラスターとは、サービス(今回はJP1のサービス)を提供するサーバーで障害が発生した際に自動的に稼働していたサービスをもう一台の予備サーバーに切り替え、サービスを継続する仕組みのことを差します。
    HAクラスターソフトウェアであるLifeKeeperを導入すると以下の図のようにJP1の稼働するサーバーに障害が発生した場合、速やかにフェイルオーバー(自動切り替え)を行うことが可能となります。

    JP1を提供する日立製作所様では、プラットフォーム毎にクラスター対応についても情報を公開されています。弊社LifeKeeper for Linux, LifeKeeper for Windowsのついても対応状況を公開頂いています。
    以下のサイトより確認したいOSのマトリックスをダウンロードしていただくと、JP1の製品毎にクラスターに組み込むことをサポートするかどうか確認することができます。

    特にJP1/BaseJP1/Automatic Job Management System 3(AJS3) Manager,JP1/AJS3 Agentについてはクラスターで保護するケースが多く、専用のスクリプト(Generic ARK for JP1/AJS3 Manager, Generic ARK for JP1/AJS3 Agent)をサポートを付与して提供しております。
    ジョブの実行は日々の業務の中で大切な業務の一部です。LifeKeeperを使用してこれらのスクリプトを組み込むことで、システムで障害により重要な業務が実行されない状況を防ぐ対策を簡単に導入することが可能です。

    図. Generic ARK for JP1を使用した場合の構成図

     

    SIOSによるスクリプト提供のないJP1 製品へのリソース保護について

    スクリプトの提供を行っていないJP1製品についても上記のクラスタソフト対応状況のマトリックスでサポート可となっていれば、LifeKeeper の機能のひとつである以下のスクリプトを作成してGeneric ARKとして組み込むことで、LifeKeeperで保護することが可能です。

    • 起動スクリプト
    • 停止スクリプト
    • 監視スクリプト*1
    • リカバリスクリプト*1

    *1. スクリプトを組み込むかどうかは任意です。
    ただし監視スクリプトがない場合は、保護するソフトウェアのプロセス異常などのリソース監視が行えなくなります。
    リカバリスクリプトがない場合はリソース障害時にローカルでのリカバリ(プロセスの再起動など)が行われません。

     

    Generic ARKを使用してクラスターに組み込むにあたり必要となるスクリプト開発については以下をご覧ください。

    Windows 製品の場合は以下のようなサンプルスクリプトの利用も可能です。

    まとめ

    JP1用のスクリプトの提供やサポートについては、JP1プロダクトメーカーである日立製作所様と連携して行っております。JP1を運用する際には事業継続性の観点からHAクラスターソフトウェアの採用についてもご検討ください。

    JP1によるHAクラスター構成については、以下のサイトでもご紹介しています。具体的な構成や、実際に評価をされたいお客様は以下を閲覧いただければと存じます。