【RTOとRPO】運用目標達成の為に知っておくべき指標

    寄稿:米国サイオス VP  Cassius Rhue
    ※この記事は翻訳されたものです。本記事の原文はこちら

    高可用性環境では、99.99%の可用性に加えて、厳しい目標復旧時間(RTO)と目標復旧時点(RPO)を満たす必要があります。この記事では、二つの指標の意味と、それらを決めるために必要な考え方ついて解説します。また、SQL Serverにおける最適なソリューションについてもご紹介します。

    RTOとRPOの違い

    RTOとRPOは、事業継続計画や災害復旧計画を策定する前に企業が定義すべき2つの重要なパラメーターです。いずれの指標も、復旧プロセスを設計し、復旧時間の制限、バックアップの頻度、および復旧手順を定義するのに役立ちます。RTOとRPOは似ているように見えますが、考慮すべき重要な違いがあります。ここでは、RTOとRPOの違いについて説明します。

    RTO(Recovery Time Objective)とは、アプリケーションに障害が発生してから復旧するまでの経過時間に関する尺度です。災害発生後、復旧までに許容される時間を決定する指標です。

    RPO(Recovery Point Objectiveは、ダウンタイム発生後、アプリケーションの可用性が回復したときに、データがどれだけ最新であるかを示す指標です。一般に、障害発生時に許容できるデータ損失の最大量と説明されています。

    災害復旧計画を評価する際に考慮すべきこと

    まず、アプリケーションとそれに関連するデータが、会社の中核となる事業運営にとってどれほど重要かを定義することが重要です。そのアプリケーションの1分間のダウンタイムやデータ損失は、会社にとってどのくらいのコストになるでしょうか?次に、どのような災害から組織を守りたいのかを考えます。データの復旧やバックアップが必要となる災害には、以下のようなものがあります。

    • データの損失:これは、誰かがフォルダを削除したという単純なものから、ランサムウェアやデータベースの感染のような複雑なものもあります。
    • アプリケーションの損失:セキュリティの変更やアップデート、システム構成の変更などにより、サービスに悪影響を及ぼす場合を指します。
    • システムの損失:ハードウェアの故障や、仮想サーバーのクラッシュなどを含みます。
    • データセンターの損失:オンプレミスやパブリッククラウドのデータセンターも含まれます。
    • 事業所の損失:この場合、災害には、停電、火災、洪水、さらには建物の外への化学物質の流出などが含まれます。このような場合には、事業所を別の場所に移して復旧する必要があります。

    組織のRPOおよびRTOの削減

    RTOとRPOはさまざまなタイプのデータに適用されるため、これらを考慮することが重要です。オフサイトの仮想環境に投資するのではなく、データベースのファイルレベルでのバックアップを実行している組織では、復旧にかかる時間が長くなり、復旧後のデータの更新頻度も制限されます。

    起こり得る災害を考慮し、保護する必要のあるデータセットと突き合わせ、復旧目標を決定します。このステップから、RTOとRPOを満たす、戦術的なバックアップソリューションを構築するために必要な情報が得られます。

    SQL ServerにおけるRTOとRPOと最適なソリューション

    SQL Serverでは、自動化されたログバックアップを設定して、スタンバイサーバーから復元することができます。このログシッピングにより、ユーザーはそのプロセスのRTOおよびRPOに応じて、かなり最近のデータベースコピーを復元することができます。このRTOとRPOの要件は、ユーザーのニーズ、予算、ネットワークの技術的な制限などに応じてユーザーが設定します。

    しかし、SQL ServerのRTOとRPOは必ずしも単純ではありません。多くの場合、お客様が想像しているほど、プロセスは速くありません。理想的なRPOを考えていても、ネットワークの速度が遅かったり、バックアップの設定が間違っていたりすると、このプロセスが遅くなってしまいます。さらに、この方法でログのバックアップを復元すると大量のデータを転送することになり、定義されている許容可能なRTOを簡単に超えてしまいます。

    SQL Serverは一般的にビジネスクリティカルなアプリケーションであるため、お客様はSQL ServerのHA/DR保護を、災害復旧のためにクラウドの可用性ゾーンとリージョンをまたいでフェールオーバーすることができるフェールオーバークラスターで実現したいと考えます。これは、Windows Serverのフェールオーバークラスタリング環境にDataKeeperを追加したり、Linux環境でSIOS Protection Suiteを使用したりすることで簡単に構築できます。いずれも99.99%の可用性だけでなく、RPOゼロ、RTOわずか数秒を実現するソリューションです。

    最後に

    結局のところ、ビジネス継続性のためのデータ損失防止は、あらゆる企業にとって重要な要件です。企業の規模に関係なく、RTOおよびRPOの目標をどのように達成するか、または社内のIT運用をどうするかについて、時間をかけて検討してください。SIOSの高可用性クラスターは、RPOゼロ、RTOわずか数分を実現します。
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