1万社が選ぶデータ連携ツール「ASTERIA Warp」、可用性強化で業務停止リスクを最小化

    19年連続で国内シェアNo.1を守り続ける「ASTERIA Warp」。なぜこれほどまでに多くの企業に支持されるのでしょうか。
    本記事では、プロダクトマネージャーの東海林賢史氏に、100種類以上のサービスと繋がる圧倒的な汎用性と、ノーコードがもたらす導入効果についてお話を伺いました。
    さらに、ビジネスの心臓部を守るための「止まらない基盤」をどのように構築したかご紹介します。

    ノーコードで多彩なシステムのデータ連携を可能に

    ノーコードのデータ連携ツールとして、1万社以上が導入している「ASTERIA Warp」。アステリアでASTERIA Warpのプロダクトマネージャーを務める東海林賢史氏は、「ASTERIA Warp19年連続で国内シェアNo.1を守り、日経コンピューターの顧客満足度調査(注:業務効率化・内製支援ソフト/サービス部門)でも1位になったように、広く使われて高い評価をいただいています」とデータ連携ツールとしてのポジションを説明する。アステリアは1998年に創業して以来、ソフトウエア製品の自社開発と提供を手掛けている企業だ。

    製品群としては、冒頭で紹介したノーコードのデータ連携ツールのASTERIA Warpを代表製品としながら、モバイルアプリを作成できる「Platio」、AIIoTを簡単に実現する「Gravio」というノーコード開発ツールがある。さらに、写真、動画、PDFWebサイトなどの多彩なコンテンツを整理・共有できるデジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook X」も提供する。「ノーコードつなぐ2つに注力して製品を提供しています」(東海林氏)とのことだ。

    主力のASTERIA Warpは、100種類以上のサービスやシステムを速やかに連携できるデータ連携ツールである。東海林氏は、「ExcelAWSOpenAIBoxkintone、奉行シリーズ、SalesforceSnowflakeなど、著名なサービスやシステムと迅速に連携できるよう、アダプターを用意しています。開発はノーコードにより、アイコンを並べてつなぐだけで利用できる、わかりやすいインタフェースで実現できます。プログラミング言語を意識しないで、データ連携を実現できることが受け入れられています」と語る。

    アステリアASTERIA Warpプロダクトマネージャーの東海林賢史氏

     データを加工・変換しながら、必要なところに運ぶデータ連携ツールという性格から、その利用は業種や業態を問わずに広がっている。企業規模で見ても「大企業から中堅・中小企業まで幅広く利用されています」と東海林氏。用途の広さに呼応するように、ASTERIA Warpは提供形態のバリエーションも豊富だ。マネージド型のクラウドサービスとして月額16万円から利用できるiPaaS版「ASTERIA Warp Cloud」、月額3万円から使える「サブスクリプション」、大規模な連携基盤の構築などに対応する買い切りの「標準ライセンス」を用意する。東海林氏は「標準ライセンスでは、長期的なフルサポートを提供するサポートプランを選択できます」と、買い切りだけでない長期利用の支援にも力を入れている。

    5つの主要用途から見るASTERIA Warpの活用シーン

     ここまで、ASTERIA Warpをノーコードのデータ連携ツールと一言で紹介してきた。それでは、実際にASTERIA Warpのようなデータ連携ツールは、ビジネスのどのような場面で使われているのだろうか。東海林氏は、「大きく分けて、『データ連携基盤、EAI』『マスターデータ管理』『データ分析基盤、ETL』『業務自動化』『クラウド連携』――5つの用途がメインです」と説明する。

    「データ連携基盤、EAI」は、在庫管理システム、会計システム、グループウエア、BIや人事システムなどの間で、データを連携する用途。「ERPなどのパッケージですべての業務が実現できれば、データ連携基盤は不要かもしれません。しかし、現実には在庫管理や会計などで個別に最適なシステムを導入することが多く、データ連携基盤が必要になります」(東海林氏)。

    「マスターデータ管理」は、マスターデータの一元管理にASTERIA Warpを利用するもの。「異なるシステムから同じマスターデータを入力すると、手間もミスも増えます。1つのマスターデータから、利用する他のシステムに必要なデータに変換して送ることで、手間やミスが減らせます」(東海林氏)。

    100種類以上のシステムと連携できるASTERIA Warpは、「データ分析基盤、ETL」にも利用できる。多様なシステムが生成するファイルを、BIツールやDWHAIなどに渡して分析するためのデータ分析基盤としての使い方だ。「業務自動化」では、RPAツールで自動化する際に、処理を高速化するためにASTERIA Warpを使う。「クラウド連携」では、「オンプレミスではなく、クラウド上にあるツールともASTERIA Warpを使うことでデータ連携できます」(東海林氏)といった具合だ。 

    ASTERIA Warpにおける主な利用用途

     

     ASTERIA Warpは幅広い用途で、多くのユーザーに利用されている。その理由を東海林氏は「ノーコードにこだわっている点が評価されていると考えています。ローコードはいろいろなことができる半面、プログラムがわからないと使いこなせません。ASTERIA Warpはノーコードでシンプルに使えることが最大の特徴でしょう」と見る。 

    さらに、ASTERIA Warpではデータ連携の設計ツールとして「フローデザイナー」を採用している。これはアイコンをドラッグ・アンド・ドロップして設定するだけで開発が可能なもの。「アイコンで自動化の流れを設定し、データの変換やマッピングを指定して、実行するという3ステップで完了します。アイコンへの機能の集約度合いを示す部品集約度が高く、競合製品よりも少ないアイコンでデータ連携のフローが設計できます」(東海林氏)。

    直感的なデータ連携設計ツールのフローデザイナー

     

    競合製品としては海外ベンダーの製品もある中で、アステリアは日本企業として製品の開発と提供を続けている。「ドキュメントも日本語、サポートも日本のチームが日本語で対応する点は高く評価されています。さらにコミュニティのAUGASTERIA Warp User Group)が充実していることから、ユーザー同士で使いこなしの情報を交換し合うような環境が整っていることも魅力です」と東海林氏は語る。さらに、アステリア製品を扱うパートナー企業の広がりも評価につながっていると見る。パートナー企業の得意分野とASTERIA Warpを組み合わせることで、課題解決につながるソリューションが構築できるためだ。

    工数削減からモダナイゼーションまで事例に見る導入効果

     ASTERIA Warpの導入事例からは、その用途の幅広さと効果を感じることができる。日清製粉グループ本社ではCOBOLからの脱却を目指し、データ連携をモダナイゼーションする用途でASTERIA Warpを導入した。基幹システムはSAP R/3を利用、取引先との情報のやり取りにEAI/EDIサーバー上で動くCOBOLプログラムを利用していた。一方でSaaSとの連携やMicrosoft製品との連携ニーズが増大し、業務効率化とCOBOLからの脱却を目指すデータ連携基盤としてASTERIA Warpを導入。システム間の連携処理の要望に迅速に対応できるほか、開発工数の半減やメンテナンス工数削減にも貢献している。

    「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開するCoCo壱番屋は、データ連携基盤に近いASTERIA Warpの導入を行っている。従来は、直営店舗における棚卸データや工場での入出荷データが負担になっていた。「ASTERIA Warpの導入で、棚卸データの作成業務が月に2時間から30分へ、工場の入出荷データ作成も休日出勤で対応していたものを自動化により休日のシフト調整が不要になりました」(東海林氏)。

    TISインテックグループのシステムインテグレーターであるアグレックスは、15年以上にわたって社内の人事、経理などのシステムとグループのシステムの間のデータ連携にASTERIA Warpを活用している。「使いやすさと安定性を評価していただき、15年以上という長期間の利用を継続してもらっていることは、ASTERIA Warpへの信頼の高さを示す事例だと思います」と東海林氏は語る。

    高可用性ソフト「LifeKeeper」との連携で、止まらない基盤へ

     幅広い用途で使われるASTERIA Warpだけに、安定性は不可欠な要件になる。「特に基幹システム同士をつなぐデータ連携基盤としての場合は可用性が重要な課題になってきます。データ連携の処理の単位であるフローが数百本、千本以上あるユーザーもあり、ASTERIA Warpが止まってしまうとビジネスの心臓部である業務全体が止まることにもなり、深刻な影響が出ます」(東海林氏)。

    対策として、ASTERIA Warpそのものの信頼性向上や、iPaaS版で利用する基盤としてのサーバー冗長性や可用性を高めるような手を打っているという。「止まらないようにすること、止まっても短時間で復旧できるようにすることは、システム導入の規模が大きいほど必要な課題です」と東海林氏は語る。 

    そこでアステリアはサイオステクノロジーと連携して、サーバーインフラの可用性向上への打ち手を増やすことになった。サイオステクノロジーの高可用性ソフト「LifeKeeper」を利用することで、サーバーインフラのアプリケーションレイヤーの安定性を高めることができる。「安心安全の大前提として、サーバーインフラの安定性は重要な課題です。そうした中で、新しい選択肢としてLifeKeeperが利用できるようになったことは、アステリアとしても歓迎しています。両者の連携による検証された高可用性ソリューションがあることは、ユーザーに高い安心感を提供できます」(東海林氏)。

    東海林氏はLifeKeeperとの連携で高可用性を高めていきたいと語る

    サイオステクノロジーとの連携は、LifeKeeperによる高可用性の維持にとどまらない。東海林氏は、「サイオスには、さまざまなソリューションがあります。アステリアといろいろな角度で連携できると期待しています」と語る。例えばサイオスは、クラウド型ワークフローの「グルージェントフロー」を提供している。ワークフローの中でデータフォーマットが異なるようなケースで、ASTERIA Warpとの連携が効果を発揮する可能性がある。「ワークフローを構築している中で、さまざまなシステムとの連携でASTERIA Warpを活用してもらっている自治体などの事例がすでに出てきています。今後、サイオスのワークフローとの連携でもうまく使っていけると考えています」(東海林氏)。

    さらに東海林氏は、「データ連携基盤として考えると、ASTERIA Warpを長いライフサイクルで安心してお使いいただけるように、製品の改良を継続していきます。そうした中で、サイオステクノロジーやLifeKeeperとの連携が、新しい価値をASTERIA Warpのユーザーに提供できる可能性を高めます」と、シェアNo.1のデータ連携ツールとサイオステクノロジーのパートナーシップの今後に期待を寄せている。