2025年の崖を乗り越える、DX推進に不可欠なデジタル帳票基盤 ~デジタル帳票基盤を提唱するウイングアーク1st様に聞いてきました~

    こんにちは、LifeKeeperマーケティング担当の石部です。

    今回は弊社のHAクラスターソフトLifeKeeperでも保護対象とされることが増えている、帳票基盤ソリューション『SVF ( Super Visual Formade) 』を提供するウイングアーク1st 執行役員 崎本 高広 氏(以下、崎本 氏)に国内でのDX推進におけるペーパーレス化に関してお話を伺ってきました。

    日本のDXの現状と課題

    日本のDXの状況はIMDの世界競争力センターが発表した「世界デジタル競争力ランキング」において、1位は米国、2位オランダ、3位シンガポール、日本は過去最低の32位という結果となりました。このランキングは、国・地域ごとのデジタル技術をビジネス、政府、社会における変革の推進力として活用する能力を測定、比較するものです。

    日本では少子高齢化が進行する中、デジタル技術の活用なしでは今後の発展が難しいと言われています。特に、経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」では、国内企業のデジタル化の遅れが大きな課題として指摘されています。

    DX推進におけるペーパーレス化の現状

    このような状況の中で、国内企業がデジタル化に迅速に取り組むことは、競合他社との差別化を図る大きなチャンスでもあります。その中でも、「ペーパーレス」は比較的取り組みやすいDXとして最初に実践する企業が多く、リモートワークの浸透も後押しし、多くの企業でペーパーレス化された業務が増加しました。

    2024年10月からは郵便料金が一斉に値上げされることもあり、さらにペーパーレス化が進むと予想されます。

    そこで今回は弊社のHAクラスターソフトLifeKeeperでも保護対象とされることが増えている、帳票基盤ソリューション『SVF ( Super Visual Formade) 』を提供するウイングアーク1st 執行役員 崎本 高広 氏(以下、崎本 氏)に国内でのDX推進におけるペーパーレス化に関してお話を伺ってきました。

    「日本はDXにおいて世界に遅れを取っているというデータが出ていますが、ペーパーレスは比較的取り組みやすく、割と導入が進んでいると思いますが、貴社ではどのような印象をお持ちでしょうか。」(サイオステクノロジー:石部)

    「弊社が行った「企業間取引の電子化に関する実態調査2024」では約3割の方が、商取引の8割以上が電子化されていると回答しています。0~20%未満と回答された方は2割未満ですので、ペーパーレスは進んでいると言えます。これは、コロナ禍による強制的なデジタルシフトや電帳法改正・インボイス制度の導入といった背景もあり企業間取引の電子化・デジタル化が加速しました。」(ウイングアーク1st 崎本 氏)

    (ウイングアーク1st様ご提供資料)

    社会を非生産的な業務から解放するデジタル帳票基盤

    そうした中、ウイングアーク1stでは事業目標に「帳票生成・保管・データ流通において、社会を非生産的な業務から解放する」を掲げ、ペーパーレス化だけではなく、信憑性の高いPDFファイルデジタル帳票の保管や流通まで業務全般をカバーする「デジタル帳票基盤」でそれを実現しています。

    (ウイングアーク1st様ご提供資料)

     

    帳票出力はSVFで、出力した帳票の保管(文書管理)と帳票の流通(企業間の電子取引)はinvoiceAgentを利用することでこのデジタル帳票基盤が実現できます。

    ペーパーレス化だけではない、デジタル帳票基盤

    前述のようにペーパーレス化は比較的取り組みやすいDXとして多くの企業に浸透しつつあります。

    「これまで紙で扱ってきた文書は電子化されPDFとして取り扱われるようになりました。ただし、PDFを受け取った側の企業はデータをそのままシステムに取り込むことができず、OCRや手入力によるデータ入力の煩雑さが残ります。さらに電子化・デジタル化が進むにつれ、企業内での業務効率が上がる一方、企業間ごとにさまざまなツールが利用され、ツールの散在も課題になっているのが現状です。」(崎本 氏)

    (ウイングアーク1st様ご提供資料)

     

    「なるほど、企業内にあるシステムの一部分だけがペーパーレスになっても、各システムに連携できなければ手入力が発生したり非効率な部分が残りますね。そして企業内だけでなく企業間もペーパーレス化でというのがポイントですね。」(石部)

    企業間の連携もSVF + invoiceAgentで解決

    ウイングアーク1stは、デジタル庁よりPeppolサービスプロバイダーとして認定されています。Peppolは、電子インボイスや取引データを標準化されたフォーマットでやり取りするための国際的なネットワークで、日本国内ではJapan Peppol Authority(日本Peppol管理局)としてデジタル庁がこの標準を管理しており、ウイングアーク1stがその認定プロバイダーであることで、企業間のデータ受け渡しがさらにスムーズに行える体制が整っています。

    (ウイングアーク1st 執行役員 崎本 高広 氏)

     

     「Peppolはグローバルで展開されている標準フォーマットを採用しており、日本でもその導入が進んでいます。SVFやinvoiceAgentを導入することで、Peppolネットワークを介して他のシステムや企業との取引データの受け渡しが円滑に行えるようになります。これは、単なるペーパーレス化を超えた、デジタル帳票の活用と流通の未来を実現するための重要な要素だと考えています。」(崎本 氏)

     

    「もう少し具体的に言うと、例えば、ある企業がERPシステムを使用しており、取引先企業が異なる基幹システムを使用している場合、従来であればフォーマットの違いによりデータの受け渡しが煩雑になることがありました。しかし、Peppolネットワークでは、共通のフォーマットを使用するため、システムの違いに関係なく、データをそのままシステムに取り込むことができます。これにより、手作業での入力やエラーの発生を防ぐことができ、業務効率が飛躍的に向上します。」(崎本 氏)

     

    「手作業での入力も減少するため、入力ミスや確認作業の手間が大幅に削減されます。また、取引先とのデータやり取りが自動化されることで、ペーパーレス化が進み、紙や郵送コストなどの経費も抑えることができます。これによって、コスト削減と業務効率化の両立が実現することができます。」(崎本 氏)

    「なるほど。ペーパーレス化だけでは非効率な部分が残ってしまう理由がよくわかりました。Peppolネットワークを活用することで、企業は電子データを標準フォーマットでやり取りできるので、異なるシステム間でもデータの受け渡しが容易になり、業務効率を大幅に向上させることが可能なですね。」(石部)

     

    (ウイングアーク1st様ご提供資料)

     

    デジタル化による新たな課題

    デジタル化が進む中で、新たな課題が出てきました。セキュリティー事故やシステム障害によって、鉄道、銀行、飲食店などが利用できなくなるといった、私たちの生活にも大きな影響を与えるようなニュースも珍しくありません。

    企業の業績にも大きな影響を与えかねないため、システムの導入時には、こうしたリスクに備えておく必要があります。

    セキュリティー事故による業務停止のリスク

    「企業が日常的にやり取りする帳票には、取引先情報、金額、契約内容など、機密性の高いデータが含まれています。これらのデータが外部に漏れると、競合他社に事業戦略が知られたり、取引先との信頼関係が損なわれるリスクがあります。さらに、取引データが改ざんされると、経理処理が狂い、最悪の場合、法的問題に発展する可能性もあります。こうしたリスクを防ぐために、データの保護と信頼性の確保が重要です。SVFは帳票データの管理において、高いセキュリティ基準を維持しており、アクセス制御やタイムスタンプによる改ざん防止など、さまざまな機能を組み合わせることで、企業の重要な情報を安全に保護しています。」(崎本 氏)

    システム障害による業務停止のリスク

    「業務停止になって特に影響がある部分とはどのようなところでしょう。SVFをご利用のお客様で特にシステム停止させてはいけないような帳票にはどんなものがありますか。」(石部)

    「受発注に関連する帳票など多岐にわたります。現代において止まっても良い業務はないのかもしれませんが、特に請求書などの帳票出力を行う業務が止まらないように注意するお客様が多いです。請求書の発行が遅れると、キャッシュインが遅れ、経営に大きなリスクをもたらします。そのため、私たちのお客様では、SVFが稼働するサーバーをHAクラスター化するケースが増加しているんです。」(崎本 氏)

     

    SVFやinvoiceAgentの可用性を高め業務を止めないLifeKeeper

    こういった背景もあり、SVFが稼働するサーバーをHAクラスター化されるケースが増加しますので、サイオステクノロジーはウイングアーク1st様のご協力のもと検証を行い2023年7月にはWindows環境で、2024年3月にはLinux版の検証を実施しました。

    さらに、2024年10月にLifeKeeperによるinvoiceAgentのHAクラスター化のサポートを開始しました。

    SVFだけではなくinvoiceAgentの安定稼働もLifeKeeperがしっかりサポートし業務停止のリスクを低減します。

    デジタル帳票基盤(SVF + invoiceAgent)の高可用性ソリューションは下記をご参照ください。