LifeKeeper for Linux 及びLifeKeeper for Windowsの両方において保護対象として多くの引き合いがあるのがデータベース製品のHAクラスター化案件です。
その中でもOracle DBは高い利用率を誇る代表的な保護対象となっています。
今回はOracle CDB/PDB構成についてご説明いたします。
そもそもOracle CDB/PDB構成とは?
CDB/PDB構成とは、Oracle12cで追加された機能で「マルチテナント・アーキテクチャ」と呼ばれるもので、
コンテナ・データベース(CDB)とそれに内包されるプラガブル・データベース(PDB)によって構成されます。PDBはスキーマや表領域、データのセットとなります。
従来の仕組みではシステム部分とデータベースは1対1で構成されデータベース毎にこのセットをインストールする必要がありましたが、
PDBが論理的なデータベースとなりPDBをCDBにプラグする事で効率よく利用できるだけでなく、複数のデータベース(PDB)を統合する事も可能になった画期的なシステム構成と言えます。
< 出典: Oracle19c 管理者ガイド マルチテナント・アーキテクチャ>
今までのOracle CDB/PDB への対応
Oracle DBについては、昨年秋ごろからLifeKeeperでのお問い合わせが急増しており、その問い合わせ内容としては「CDB/PDB構成に対応していますか?」というのが多くありました。
現在のリリースではコンテナ・データベース構成でもLifeKeeperをご利用頂く事は可能ですが、少し前まではLifeKeeperでHA化するには少し考慮する点がありました。
それは、インストール時のデータベースの識別項にて「コンテナ・データベースとして作成」のチェック欄を外してインストールして頂く必要があった点です。
OracleDBにおいては、12c(2013年リリース)以降においてコンテナ・データベースとしてのインストールが可能となっておりましたが、LifeKeeperでの対応はなされておらず、非コンテナ構成での設計構築をお願いしておりました。
現在の対応は?
前記致しましたが、コンテナ・データベース構成への対応は2020年リリースの下記バージョンより対応可能となっております。
プロダクト | バージョン/リリース日 |
LifeKeeper for Linux | V9.5.0以降 /2020年5月 |
LifeKeeper for Windows | V8.7.2以降/2020年11月 |
Windows環境でOracle DBをHA構成にする為にはいくつか方法があり、Windows Server Failover Cluster(WSFC)にOracle Fail Safe(OFS)を組み合わせて利用されるユーザが多いように思いますが、
その組み合わせがOracle19cでは非推奨、次バージョンでは非サポートになる事が管理者リファレンスにも記載されております。
お問い合わせが急増したことについてはこういった背景事情もあるかと思います。
このようなニーズの高まりを受け、LifeKeeperではコンテナ・データベース構成でのHAクラスター化を行いました。
現在のリリースではLinux版、Windows版のどちらも対応が完了しておりますので、CDB/PDB構成でご利用頂く事が可能となりました。
< Oracle 19c SEを利用したOracle インストール画面 >
まとめ
ご覧頂きました通り、LifeKeeperではLinux版はもちろんの事、Windows版でもCDB/PDB構成に対応しました。
さらにWindows版においてはOFS問題への対応も可能ですので、コンテナ・データベース構成が標準となる場合でもLifeKeeperによるHAクラスター構成にする事の様々なメリットを受ける事ができます。
下記記事では実際の構築手順もご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。