2つの真実と1つの嘘:可用性の本当の真実を理解するために

    ※この記事は翻訳されたものです。本記事の原文はこちら

    数年前、ある会社のイベントで「2つの真実と1つの嘘」というゲームをしました。このゲームは、本当のことを2つ、嘘を1つ書いて参加者に見せ、誰が一番多くの人を騙すことができるかを競うというものです。勝った人は、自分の過去について、信じられそうな話、あるいは信じられなさそうな話をしました。以下は、そのときの発言です。

    1. 子供の頃、地元には信号機がなかった。
    2. 祖父母は小学2年生のときに出会い、10代で結婚した。 
    3. 卒業後、州外の名門大学に進学し、その後、ジョージア州内の大学に編入した。

    私は信号機のない小さなコミュニティで育ったので、信号機がないのはあり得ると思うとはいえ、半信半疑でした。幼い頃に出会った相手と10代で結婚した人の話を聞いたこともあるので、それもありだと思いつつ、少し怪しいとも思いました。3つ目も本当のように聞こえますが、州外の名門大学から、わざわざ信号もないような地元に転校する人がいるのだろうかと疑問に思いました。3つの文のうちどれが嘘なのか、グループ全員が長時間推理し、悩みました。誰も嘘を見破れないような気がしました。

    何人かは、信号もないような田舎に、果たして大学まであるのだろうかと言い、彼の年齢、勤続年数、複数の学位を持っていることからして、州外の有名大学に通っていたとは思えないという意見もありました。私たちは1番目と2番目が真実で、3番目が嘘だろうと考えました。

    高可用性に関するあらゆる情報が飛び交う中で、皆さんは「2つの真実と1つの嘘」のゲームをしているような気分になっているかもしれません。どこを見るかによって、可用性に関する記述は、一見信憑性があるように見えても、表面下を掘り下げると完全に真実ではないことがあります。たとえば、広く受け入れられている次のような内容は、実は真実ではありません。

    1.高可用性の実現に必要なのはストレージの可用性のみ

    アプリケーションが効果的かつ効率的に動作するためには、データにアクセスする必要があります。 つまり企業を成功に導くには、データベースがストレージにアクセスできることが必要です。その他のエンタープライズアプリケーションも同様に、設定ファイル、データストア、トランザクションおよびエラーログのディレクトリにアクセスできなければ、使用することはできません。

    しかし、信頼性が高く、アクセスしやすく、パフォーマンスの高いストレージは、すべての企業システム、ウェブサイト、データベース、アプリケーション、相互接続に不可欠ですが、ストレージを利用できるだけでは、高可用性の実現に必要なすべてのものが揃うわけではありません。健全で、信頼性が高く、回復力のある高可用性アーキテクチャを構成する要素は、ストレージだけではないのです。

    2.プラットフォームの可用性だけで、高可用性を実現できる

    クラウドコンピューティングの発展や成長に伴い、高可用性を求める多くの企業が、プラットフォー ムの可用性という概念に混乱しています。プラットフォームの可用性(システムの可用性、インフラの可用性と呼ばれることもあります)は、どの程度の時間プラットフォーム(ハードウェア、ネットワーク、OS、および関連コンポーネント)にアクセスでき、意図したITサービスを提供できるかということに関連しています。

    アプリケーションやデータベースが適切かつ効率的に動作するためには、コンピューティングリソース、メモリリソース、ストレージリソース、およびネットワークリソースが絶対に必要です。データセンター内のすべてのサービスや機能は、そのロジックを実行するための信頼できる場所を必要とし、基盤となるプラットフォームがなければ、これらの運用は不可能です。

    このため、高可用性に必要なのはプラットフォームの可用性だけであると多くの人が考えています。
    私はカスタマーエクスペリエンス担当として、利用可能なプラットフォームと利用可能なアプリケーション、データベース、クライアント接続において欠落しているものについて、お客様やパートナーに理解していただくお手伝いをしてきました。その際、プラットフォームにはダウンタイムやサービスの問題がないにもかかわらず、データセンターやクラウドインフラで実行されているエンタープライズアプリケーションが、プラットフォーム以外の問題によって利用できなかったり、不安定であったり、クライアントからアクセスできないといった実例を挙げ、その原因について話し合いました。

    本当の真実とは?

    先述のゲームでの同僚の話ですが、私たちは皆、間違っていました。彼の故郷は小さなコミュニティで、その境界は大きな町でそこには信号機があったとはいえ、彼自身の町には信号はありませんでした。そして彼は早く卒業し、有名なジョージア州外の工科大学に行ったにもかかわらずホームシックになって故郷の州内の大学に編入したのです。つまり、嘘は祖父母についての話でした。若いときに出会ったのかもしれませんが、小学校2年生で会ったわけではなかったのです。

    高可用性についての真実は、ストレージの可用性とプラットフォームやインフラの可用性だけでは十分ではないということです。最も堅牢で、可用性が高く、回復力があり、信頼できる高可用性インフラを構築するためには、アプリケーションを意識した監視、そしてアラートやリカバリーを提供する、商用グレードのソリューションも含める必要があります。またこのソリューションには、ストレージの高可用性機能を熟知し、インフラの微妙な特性や差異を強く意識すること、そしてアーキテクチャ全体でベストプラクティスを活用し、アプリケーション、データベース、およびサービスがビジネス目標を達成できるよう支援する能力も求められるのです。

    システムの可用性についてもっと知りたい人は、マンガでわかりやすく解説した資料もありますのでご活用ください。

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