HAシステム(6) – 高可用性システムの成功事例

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     高可用性システムを導入し、ビジネスで成功を収めた企業には、どのような課題やニーズがあり、どのような条件で高可用性システム製品を選定したのでしょうか。そして、高可用性システムの導入によりどんな効果が得られたのでしょうか。HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper/DataKeeper」を導入したユーザー企業の事例を紹介します。

    >>【動画で学べる】高可用性ソリューション「LifeKeeper/DataKeeper」について

    クラウド化とHAクラスターでBCP対策の強化と約3割の運用コスト削減を実現– JA長野厚生連様

     長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)は、基幹業務システムのクラウド化を目的に、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上でWindows Server標準のHAクラスター機能であるWindows Server Failover Clusteringとサイオスの「DataKeeper」 を連携させたソリューション「SANLess Clusters on Azure」を利用することで、運用管理の負荷やコストを大幅に削減しながら、BCP対策の強化を実現しています。

     JA長野厚生連が運営する医療施設では、10年以上前から基幹業務システムとして、SAP ERPを導入し、長野県JAグループのデータセンターに設置して運用していました。そのため日々の運用管理を行うために、システム管理者がデータセンターに常駐しなければならず、運用管理の負荷やコストの軽減が大きな課題となっていました。

     また、事業拡大に伴うサーバーの増設に柔軟に対応できることや、災害・障害が発生しても業務を継続できるBCP対策の強化も重要な課題の1つでした。そこで、SAP ERPをMicrosoft Azureに移行するとともに、DataKeeperによる冗長化により、BCP対策の強化と約3割の運用コスト削減を実現しています。

     今後、JA長野厚生連では、メールサーバーやADサーバーなども、徐々にMicrosoft Azureに移行していくほか、将来的には電子カルテのクラウド化も計画しています。これらのシステムは、24時間365日止まることが許されないシステムであり、Microsoft Azure上でDataKeeperを利用した「SANLess Clusters on Azure」に期待しています。

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    メールプリントの冗長化にLifeKeeperを採用し障害復旧時間を1時間以上短縮–セイコーエプソン様

     セイコーエプソンでは、モバイルクラウドサービス「Epson Connect」のメールプリント基盤に、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service S5(以下、S5)」を採用していますが、2014年のビジネス拡大にあわせて、LifeKeeperを採用し、高可用性クラスターシステムを実現しています。

     エプソンのメールプリントは、PCや携帯電話、スマートフォンなどの、メールが送信できる機器からメールアドレスを持つプリンターにメールを送るだけで、本文や添付ファイルが印刷できるサービスです。当初、メールプリントは、コンシューマーの利用を想定していましたが、ビジネスでの利用がかなり多いことが分かりました。

     また、世界中のユーザーに使われており、その数も日々増え続けていることから、可用性の向上が解決すべき課題でした。そこで、NASのファイル共有サーバーとデータベースサーバーを冗長化することを決定。これまでの実績とサポートを評価して、S5とLifeKeeperの組み合わせによる冗長化が採用されました。

     これにより、手作業で行っていた障害復旧が自動化され、障害復旧時間が1時間以上短縮されました。また、設定変更や計画メンテナンスなども、サービスを止めて作業していましたがサービスを停止する必要がなくなりました。今後は、メールプリントサービスのさらなる可用性やメンテナンス性の向上、新たなサービスの創造を目指す計画です。

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    SCSKのクラウドとLifeKeeper/DataKeeperで稼働率99.99%を実現――日本コンタクトレンズ協会様

     日本コンタクトレンズ協会は、販売店からメーカー、代理店まで、24時間365日いつでもどこからでも発注できるインターネット注文システム「Web-CLIOS」を、稼働率99.99%以上の実績を持つSCSKのクラウドサービス「USiZEシェアードモデル」上でリニューアルすることを決定しました。

     USiZEシェアードモデルのHA機能では、たとえば、ホストサーバーに故障が発生した場合、その上で稼働する仮想マシンを別の健全なホストサーバーに移動させることでフェイルオーバーができます。しかし、ネイティブの仮想化基盤で監視できるのは、ゲストOSの死活状態であり、アプリケーションの障害までは検知できませんでした。

     Web-CLIOSでは、アプリケーションまで監視できるHA機能が不可欠であり、LifeKeeperおよびDataKeeperの組み合わせによるHA構成の運用基盤を構築しています。これにより、ハードウェアや仮想マシンだけでなく、アプリケーションの異常も検知し、トラブル発生時に迅速にサービスを継続・復旧できる体制を確立しました。

     また、DataKeeperを活用し、本番系ノードと待機系ノードの間のストレージを共有ストレージと見立てることで、高速なデータミラーリングを実現。もし、本番系ノードに異常が発生しても、短時間でフェイルオーバーできる仕組みを実現しています。リニューアルから2年以上、Web-CLIOSは重大なトラブルを一度も起こすことなく、稼働率99.99%以上を実現しています。

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     今回は3社の成功事例を紹介しましたが、LifeKeeper/DataKeeperには、ほかにも数多くの事例を紹介しています。
    http://sios.jp/products/lkdk/showcase/
    ぜひ、参考にしてください。

     6回にわたり、「高可用性システム」について紹介させていただきました。少しでも、皆さまの参考になれば幸いです。

     

    > サイオステクノロジーが提供するHAクラスターソフトウェア

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