はじめに
みなさんこんにちは。東日本のプリセールスの西下(にしした)です。
前回は基幹系システムの障害対策のトレンドについて、クラウド移行が増えているというお話と、クラウド環境は利用者が意識しなければ、障害対策は十分とは言えないお話をさせていただきました。
今回からシリーズ企画として、SAP・JP1・HULFTの観点でもう少し掘り下げた対策についてお話させていただきます。
基幹系システムの代表格であるSAPは、受発注や生産管理などの多くの止められない業務システムとして運用されています。
最近多いのが、システム移行の際にオンプレからクラウドに移行してしまおうという動きです。この時の注意点については前回お話させていただきました。
今回は当社のSAP向けの高可用性ソリューションについて掘り下げてお話させていただきます。
当社の取り組み
当社では急増するSAPのクラウド移行に伴う障害対策に応えるために、専用サイトを開設して最新の情報提供に努めています。
導入事例、技術情報などSAP向けの情報を掲載しています。
また、当社ではSAPの分野で実績を持つ多くの企業と協業し、商談支援に始まり共同検証レポートや多くの有識者へのインタビュー記事をブログにて公開しています。
<当ブログ:SAP関連記事>
SAPの障害対策のポイント
SAPシステムを「1.セントラルサービス」「2.アプリケーションサーバー」「3.データベース」の3つの要素に分けた場合、単一障害点の観点で冗長化が必要なのは、「1.セントラルサービス」と「3.データベース」の2つになります。
当社ではこれらを、HAクラスターソフトのLifeKeeperおよびWSFC、そしてデータレプリケーションソフトのDataKeeperの構成で冗長化して障害対策を高めています。
OS毎の可用性対策
◇Windows環境
Windows環境の場合はWindows Server標準のWSFC(Windows Server Failover Clustering)が障害監視と切り替えを行います。但しAWSやAzureといったクラウド環境を考えた時、クラウド環境ではWSFCでは必須要件の共有ストレージが使えません。
そこで当社のDataKeeper(DataKeeper for Windows Cluster Edition)を組み合わせます。DataKeeperの作り出すミラー領域はWSFCに共有ストレージとして認識されます。つまり、共有ストレージが使えるオンプレと同じ感覚でクラウド上でWSFCのHAクラスターを構築できます。
>>クラウドと可用性(2) – WSFCはクラウドに移行できない?
◇Linux環境
Linux環境の場合、当社のLifeKeeperによる冗長化構成となります。一般的なHAクラスターソフトでは必要なスクリプトの作成は不要です。
当社にて作成したスクリプトをオプションリカバリキットとして販売しています。(SAP専用のSuiteパッケージにての提供となります。)
オプションリカバリキットを使うことで、GUI画面上で容易にHAクラスターを構築できます。
<概念図(データレプリケーション構成)>
なお、最近採用が進んでいるHANA DBについては、データレプリケーションに当社のDataKeeperではなく、HANA自身が持っているHSR(HANA System Replication)をLifeKeeperから制御して使う構成になります。
費用例
当社高可用性ソリューションでは、他の商用ソフトと比較して低コストで構成できます。Windowsの高可用性構成の場合に必要となる当社製品(AWSやAzureといったクラウド環境を想定)は下記のとおりです。
DataKeeper for Windows Cluster Editionx2ノードの費用(税抜メーカー定価)
製品 ※買い取りライセンス | メーカー定価(円) | 保守1年(円) | 数量 | 合計(円) |
DataKeeper for Windows Cluster Edition | 390,000 | 97,500 | 2 | 975,000 |
※当社製品はノードライセンスです。
※2年目以降は保守費用のみが発生します。
※サブスクリプションライセンスについては下記からお問い合わせください。
まとめ
加速するSAPシステムのクラウドへの移行の際には、移行先でも障害対策は必要です。クラウドは利用者が意識しなければ、障害対策は十分とは言えません。
多くの実績のある当社ソリューションもっと詳しく知ってみませんか?
「詳しい話を聞いてみたい。」「具体的な構築手順書は無いか?」「この案件は対応できそうか?」など、下記までお気軽にお問い合わせください。
[お問い合わせ先]
https://mk.sios.jp/BC_Web_Inquiry.html
次回はJP1のこれからの障害対策についてわかりやすくご紹介致します。お楽しみに!