これまでとどう違う?JP1/AJS3 「V13」の魅力とは?

    ジョブ管理製品として、多くの企業で利用されているJP1/AJS3。その最新バージョンとなるV13が、2023年6月にリリースされました。そんなV13の特徴や魅力について、JP1/AJS3を取り扱う株式会社日立製作所 フロントエンゲージメント推進本部プラットフォーム事業推進部の山原様からお話をお聞きしました。 

    JP1/AJS3とは

    JP1/Automatic Job Management System 3 (JP1/AJS3)とは、日立製作所が提供するジョブ管理製品です。 
    JP1/AJS3は、ミッションクリティカルな業務の自動化とジョブ管理システムの安定稼働を支援します。 JP1/AJS3を活用いただくことで、さまざまなプラットフォーム上の一連の業務をGUIで定義し、企業カレンダーに応じて業務を実行することができます。 

    例えば、OSの更新やバックアップ処理、発注処理業務であれば、受注データの取得、データの集計、受注データの分析、分析結果に応じた発注処理など、一連の業務をクラウドサービスとも連携しながら自動化することが可能です。 

    図1業務の自動化と安定稼働を実現する JP1/AJS3

    JP1/AJS3 「V13」の魅力とは?

    近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進には欠かせないクラウドサービスの活用が増えてきており、オンプレミスやクラウド上で実行される業務の連携、業務システムの状況把握が必要になってきています。
    そこでJP1 Version 13では、クラウドサービスを活用した業務やデータ連携が必要な業務をJP1/AJS3で一元管理できるように強化を行いました。主な強化ポイントは以下の3つです。

    1. クラウドサービスとの連携
    2. クラウドシフトしたSAP業務との連携
    3. JP1/AJS3の状態を監視できるマネジメントポータル

    1.クラウドサービスとの連携

    Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure (Azure)といったクラウドサービスと容易に連携するために、V13では、新製品であるJP1/Automatic Job Management System 3 for Cloud Service Applications (JP1/AJS3 for CSA)を提供しました。
    JP1/AJS3 for CSAにより、クラウドサービスとの連携に必要な認証・実行・監視・結果確認の一連の流れをGUI上で定義することができ、ローコードで連携用ジョブの作成が可能になりました。そのため業務内容やサービス側の仕様変更にも、安全かつスピーディーに対応できます。

    2.クラウドシフトしたSAP業務との連携

    ERP(Enterprise Resource Planning)でよく利用されるSAP S/4HANA、SAP S/4HANA Cloud、 SAP BW/4HANAや他の業務システムで実行するジョブを、JP1/AJS3でも一元管理できるようになりました。複数システムが連携する業務の自動運用など、SAPの標準システムだけでは実現できない、柔軟で高度な運用を実現します。

    3.JP1/AJS3の状態を監視できるマネジメントポータル

    JP1/AJS3が安定稼働しているかどうかを監視できるマネジメントポータルが新たに提供されました。マネジメントポータルでは、業務実行を制御するスケジューラーサービスやジョブ管理システムのデータベースなど、ジョブ管理システムの状態を1つの画面で集中監視できます。
    マネジメントポータルを活用することで、ジョブ管理システムが問題なく動作しているかどうかをひと目で確認でき、問題が発生している場合は要因の特定が容易になりました。


    図2 JP1/AJS3「V13」の強化ポイント

    使用する上で注意することは?

    JP1/AJS3はミドルウェアであるため、導入元のハードウェア(サーバ、ストレージ、ネットワークなど)やOSが停止してしまうと動作できなくなってしまいます。
    そのため、JP1/AJS3を止めないためには、ハードウェアなどのインフラ監視や冗長化の検討が必要です。

    インフラ監視については、JP1/IM3(JP1/Integrated Management 3)を利用することで動作するプラットフォームの状況やジョブのエラーなどの監視ができ、障害時にいち早く対応することが可能になります。またJP1/AJS3のシステムを冗長化することで障害が発生しても業務を継続できるようになります。JP1/AJS3の冗長化の方法としてはHAクラスター構成があります。

    JP1を安定稼働させるにはクラスター構成がおすすめ

    企業の基幹系システムを担うJP1/AJS3は、システム障害などで停止してしまった場合の影響が大きく、高い可用性を確保する必要があります。可用性を確保する方法として当社がお勧めしているのが「HAクラスター構成」です。

    なかでもサイオステクノロジーが提供するHAクラスタリングソフト「LifeKeeper」は、オンプレミス環境はもちろん、AWSやAzureをはじめとしたクラウド環境でも500件以上の導入実績があり、クラウド上のLifeKeeperとJP1の冗長構成は、日立製作所様で公式サポートされています。また、商用ソフトならではの24×365などの手厚いサポートも魅力のひとつです。

    LifeKeeperによるJP1/AJS3の障害対策については、下記記事でも解説していますのでご参照ください。

    LifeKeeperとJP1の評価キット

    JP1/AJS3 V13をLifeKeeperで冗長化するための評価キットを、日立製作所様のサイトにて提供しております。ハンズオントレーニングで使った詳細な手順書がついておりますので、JP1案件の構成検証などにぜひお役立てください。

    • JP1×LifeKeeper評価キットラインナップ
      • Linux版 JP1×LifeKeeper on AWS
      • Windows版 JP1×LifeKeeper on AWS
      • Windows版 JP1×WSFC×DataKeeper on Azure


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