Windows Server環境でアプリケーションの冗長化を実現する方法は、Windows Server Fail Over Clustering(WSFC)の機能だけ?

    OSS(Open-Source Software)のアプリケーションの稼働はどのように保護したらよいのか?

     最近では、コスト削減はもとより、ソフトウェアに対する信頼性の向上、導入実績が増えてきたことによる安心感も広がったことにより、従来のアプリケーション選択形態の主流であるベンダー製品の選択とは異なり、OSSを選択する企業が増えてきています。また、それに伴いOSSが導入される領域も幅広くなり、具体的にはWebサーバー・アプリケーション・サーバー・データーベースサーバー・運用監視ツールなど、多くの領域で導入され、既に数多くの導入実績がでてきています。

     このように一般的に稼働し続ける必要のある重要なシステムであれば、システムの高可用性について考慮する必要がでてくるのではないでしょうか?その際に考えられる選択肢は、どのような方法があるのでしょうか?

     考えられる選択肢としては、Windows OS標準のクラスター機能であるWSFCやベンダー提供のHAクラスターソフトウェアが挙げられます。ただし、最近のシステム停止の要因として、OSやサーバーの障害ではなく、その上で稼働するアプリケーションの障害に起因するケースが増えており、個別のアプリケーションを監視し、可用性を高める仕組みが必要となります。HAクラスターソフトウェアは個別のアプリケーションを監視することが可能であるために、その選択肢として考えてみてもよいでしょう。

    HAクラスターソフトウェアであるLifeKeeper for Windowsを用いたOSSの保護

     LifeKeeper for Windowsを選択することにより、Windows環境のOSやサーバー環境のみならず、OSSを含めたシステム全体を保護することが可能となります。例えば、データベース製品を例にとって考えてみましょう。

     現在、ベンダー製品のデータベースとしては大きく分けると“オラクル社のOracle Database”と“マイクロソフト社のSQL Server”の2種類が主流として挙げられます。ただ、最近では経営的な投資対効果の意識と、OSS製品の対しての信頼性の高まりも加味しWindows環境下でのデータベースとして“SQL Server”に代わり、OSSである“PostgreSQL”や“EDB”を導入するケースが増えてきています。

     LifeKeeper for Windowsは、Windows Serverの標準クラスター機能であるWSFCを使用せずにWindows環境でHAクラスター構成を実現できます。

     2017年3月現在、LifeKeeper for Windows環境下において、標準で準備(提供)されているARK(Application Recovery Kit) (注1)は、“Oracle ARK”と“SQL Server ARK”のみで、それ以外はGeneric ARK(注2)として提供しています。そのために、OracleとSQL Server以外のアプリケーションに関しては、このGeneric ARKをカスタマイズすることにより、HAクラスター環境に対応することができます。

     また、“LifeKeeper for Windows”には、任意のWindowsサービスをGeneric ARKを用いて簡単に冗長化できるサンプルスクリプトが標準で付属しています。このサンプルスクリプトを用いることにより、スクリプトを新たに開発することなく、簡単に“Life Keeper for Windows”のみでWindows環境のOSからアプリケーションまで冗長化することができます。(注3)

     

    Windows環境全体のシステムの可用性を向上させたとしても、OSS製品を含めたシステム全体のサポートはどうするのか?

     投資効果や利便性を考えた上でOSSを導入し、可用性を担保したシステムの構築を検討したとしても、OSSに関してはサポートが提供されていないことが多々あります。その際には、サイオスが提供する「OSSよろず相談室」というヘルプデスクタイプのサービスを一緒に活用してみてはいかがでしょうか?このサービスを同時に活用して頂くことにより、Windows環境におけるOSS製品のサポートまで含めて、Windows環境全体のトータルソリューションをご提供します。そのため、安心してシステムをご利用頂くことができるでしょう。

    OSSよろず相談室で包括サポート

    連携させるOSSの一例

     最後に、どのようなOSSが実際に業務で活用されてきているのでしょうか?サイオスのヘルプデスクへの問合せ実績から実際にみてみたいと思います。
    2016年上期の問合せ実績を見てみると、Web関係システム上でのOSSの利用が堅調に増加し定番化してきていることから、実際に業務で活用されるケースが増えてきていることが分かります。特に、”Apache”、”Apache Tomcat”の問いあわせが上位となってきています。

    2016年上期の問い合わせ上位のOSS

     また、従来では敬遠されがちであった、重要度が他のシステムと比較しても高い、データーベースサーバーへの導入と活用に関しても、”Postgres SQL”や”EDB”での実績も増えてきており、ユーザーの意識の変化が見受けられます。

     これらの結果を踏まえて、今後はLifeKeeper for Windowsといくつかの主流なOSSとを組み合わせた個別連携レポートをサイオス独自の視点で、公開していきたいと思います。


    注1) ARK(Application Recovery Kit http://sios.jp/products/lkdk/product/lifekeeper.html#anc_software
    注2) Generic ARK http://lk.sios.com/?page_id=28
    注3) LifeKeeperユーザーサイトで公開中 http://lk.sios.com/?p=1184

    >[Linux]QSP(Quick Service Protection)を使って簡単にNginxをクラスター化してみる を読む

     

    関連情報

    LifeKeeper製品詳細

    LifeKeeper対応ソフトウェア

    関連資料

    Windows Server Failover Clusteringを一から知るためのお役立ち資料

     

    SNSでもご購読できます。