こんにちは、オイカワです。
先日、HPE様と開催した共催ウェビナーの内容を記事にまとめました。5分くらいで読めますので、概要やポイントを確認頂き、気になるところがありましたら、ぜひ動画をご確認ください。
※動画は公開後、一定期間が経過しましたら非公開にいたします。
HPE最新クラウドストレージ戦略
HPEの岡野氏より、クラウドの利用が進む企業のITインフラに関する、現状とHPEが提供するクラウドストレージの価値についてお話しいただきました。
クラウドへの移行が進んでいない現状
まず、ITインフラに関する経営者の課題について、人手不足、デジタルトランスフォーメーションの推進、サステナビリティ志向など、様々な課題があることを視聴者と共有するところから話をはじめて頂きました。
その中で、クラウドは、管理性、柔軟性、セルフサービスである点に優れているものの、一方で70%以上のユーザーがまだオンプレにデータを保持しているという調査結果を共有頂きました。特にミッションクリティカルなシステムにおいてはオンプレの利用がまだまだ多く、セキュリティ、コンプライアンス、性能、データの保管・取出しコストなど、クラウド移行を阻む課題があることが示されました。
ハイブリッド環境
「実際、クラウドとオンプレの間に様々なギャップが生じており、クラウドとオンプレの操作感を統一する必要性を感じているお客様がいらっしゃいます」と岡野様は指摘します。
そこで、オンプレにおいてもクラウドにおいても、管理の仕方だけでなく、支払いの仕方も同じようにしていく必要がある、とHPEの提唱する「as a service」の考えを共有されました。
そしてそれを実現するのが、HPE GreenLakeというソリューションであり、エッジ環境からデータセンター、そしてクラウドに至るまでの、ハイブリッドなシステム環境を一元的に提供できるという特徴を紹介してくれました。
ニューオンプレミス
次に、ガートナーの2023年3月の報告を共有頂きました。これによると、2026年までにオンプレミスのテクノロジーの90%が3年後には「Newオンプレミス」になるそうです。
そもそも、Newオンプレミスとは、「クラウドネイティブな要素を取り入れた新しいオンプレミスの形態」のことをいうそうです。これに追従できないエンドユーザー、SIerは衰退してしまう可能性がある、とのことです。
さらに視聴者の理解を助けるために、このNewオンプレミスに必要な要素として以下3点をあげて説明してくれました。
- 場所に依存しない管理
- あらゆるデバイスを一元的に管理可能
- 状況に応じて自動最適化される自立型のインフラ
どれもオンプレミスからは連想のしにくい要素ばかりですよね。でも、これらの価値を提供するHPEの最新ストレージの話を聞き、理解することができました。
Newオンプレミスを実現するストレージ「HPE Alletra」
Newオンプレミスを実現するために、HPEはHPE Alletraシリーズというストレージを提供しています。その特徴は、従来のストレージ製品の特徴として我々が聞いていた「IOPS」や「インターフェイスの種類」などではありませんでした。それは「クラウドのように利用する」「クラウドのように支払う」ことでした。
もっと具体的に言うと、以下です。
- いつでも・どこからでもWebブラウザから管理可能
- ハイブリッド環境にあるデータを一元管理
- インフラの違いを意識させないデータ操作
これら全てを備えた管理ツールをもっているのがHPE Alletraです。
どこからでもアクセスできるため、セキュリティへの懸念もあると思いますが、データはオンプレにあり、2要素認証やSSOなどはもちろん完備されています。利用者毎に適切な権限管理も実施できます。セキュリティを高めつつ利便性を高められる、まさにいいとこどりなシステムです。
さらに、オンプレ・クラウド間のデータ移動が簡単にできてしまうZerto社の機能が統合されていくそうです。これにより、ユーザーはどこにデータがあるかを意識する必要がなくなる未来が待っているのではないでしょうか。この点は非常に興味深かったです。
最後に、HPE Alletraの特徴として、「クラウドのように支払う」ことについて紹介頂きました。ストレージ、ネットワーク機器、LifeKeeperなどのミドルウェアなど、システムの全体もしくは一部をHPE GreenLakeで利用することが可能である点、ストレージは利用した分だけ支払える点などを具体例をあげて説明頂きました。
質疑応答では、HPE GreenLakeにおけるストレージは、ユーザーがEOSをどこまで気にする必要があるのかなど、突っ込んだ質問をいくつも頂くことができました。エンドユーザーは、オンプレとクラウドのいいとこどりという、新たな選択肢も手に入れることができたのではないでしょうか。
HPE GreenLakeにも対応した高可用性システムを勧める薦める3つの理由
次に登壇したのは、サイオステクノロジーの國政氏です。今回は、HPE GreenLakeというソリューションの中でLifeKeeperをご利用頂くことで何が嬉しいのか、について話をしてもらいました。
そもそも可用性とは
まずは、「可用性の考え方」について、障害の発生時を例に、復旧までの時間(RTO=Recovery Time Objective)といつの状態のデータに復旧するのか(RPO=Recovery Point Objective)について共有するところから開始しました。
障害はいつか必ず発生することを前提に、許容できる稼働時間の目標を決め対策を進めていくことが強調されました。
可用性の4つの対策レベル
次に、可用性の対策を4つのレベルに分け、各レベルでの対策の例を図を交えながら紹介しました。
レベル1:バックアップ・リストアによる対策
レベル2:データベースや基盤のもつ標準機能での対策
レベル3:HAクラスタソフトウェアによる対策
レベル4:ハードウェアコンポーネントを完全二重化したFT構成による対策
これら4つの対策を、停止時間とコストの関係を縦軸・横軸で整理し、レベル3のHAクラスタ構成が性能とコストのバランスのよい構成として紹介して頂きました。
HAクラスターの構成例
このコストパフォーマンスのよいHAクラスタ構成について、オンプレ、クラウドでは具体的にどんな構成になるのか、図を使って紹介して頂きました。
その中で、クラウドにおいては、オンプレとは異なり、課題が2つあることが言及されました。
1つは、稼働系、待機系サーバから同じデータを操作するために構成されていた「共有ストレージ」のようなものがないクラウドもあるという点です。
2つ目は、クラウド上にHAクラスタで構成されたシステムへの接続はどうするのか、というネットワークの課題です。オンプレからクラウドへアクセスされたり、同じクラウドの別VPCからアクセスされたりと、オンプレではあまり意識する必要がない課題も発生します。
しかしながら、サイオステクノロジーのHAクラスタソフト「LifeKeeper」では既にクラウド上で多くの実績があります。これら2つの課題を、製品の機能に加え、ベストプラクティスのような構成パターンを用意し、お客様の要件に合わせた最適な構成を見つけて頂くことが可能です。
2つ目の課題解決を例にあげ、Direct Connectを使った場合、そこにAmazon Route 53を使った名前解決など、主要な6パターンを構成図を用いてご紹介頂きました。
HPE GreenLakeで高可用性構成を勧める3つの理由
最後に、HPE GreenLakeで高可用性構成を勧める3つの理由を解説頂きました。
- HAクラスタは、クラウドや仮想環境ソフトウェアでは標準機能で保護できない、アプリケーションレイヤーの障害検知と自動切替えが可能
- HAクラスタは、オンプレ、クラウドで同じHAクラスタソフトが使えるため、新たな学習コストが不要
- HPEのマルチベンダーサポートサービスにてLifeKeeperを含めたサポート窓口を提供できるため、HAクラスタ構成に関連した課題や問題をお客様側で切り分ける必要がなく、管理者の負担が軽減される
これらの理由から、高可用性が求められるミッションクリティカルなシステムには、HPE GreenLakeにてLifeKeeperをお使い頂くことをお勧めします、とまとめて頂きました。
セッション動画と資料
なお、今回のウェビナーの動画は、以下よりご視聴頂けます。
今回の文章では割愛したり、まとめてしまった部分についても、細かい表現や例について確認頂けますので、さらに理解が深まると思います。ぜひご視聴ください。