より良いクラウド移行のためにできる5つの事

    ※この記事は翻訳されたものです。本記事の原文はこちら

    2020年と2021年の世界を変える出来事により、何らかの形で、私たちが知っているほぼすべてのものが再構築されました。それは、高可用性も例外ではありません。さまざまな閉鎖や制限にもかかわらず、多くのITチームはオンプレミスのデータセンターをクラウドに置き換えました。多くの人が「さあ、次はどうする?」と問いかけています。この記事では、2022年にクラウド移行をどのように行うかを決定するためにやるべき5つのことを紹介します。

    1.高可用性を追加する

    クラウド化を推進する中で、多くのITリーダーおよびビジネスリーダーは、新型コロナウイルスのために閉鎖しているデータセンターから、急いでサービスやアプリケーションをクラウドに移行しようとしています。また、データセンターの閉鎖が理由ではなく、爆発的な需要の増加に対応するためにクラウド化を急いだ企業もあります。そして、クラウドへの移行があまりにも早かったため、HAを導入しなかった企業もあります。さらに、クラウドでもアプリケーションがクラッシュするということ、また予期せぬ停止や予定外のダウンタイムが、以前のデータセンターと同じようにAWS、Azure、GCPの宿敵であることを痛感している人もいます。

    クラウド移行を改善する最初のステップは、以下を実施して高可用性を追加することです。

    • 高可用性と冗長性を備えたアーキテクチャの設計と構築
    • 重要なコンポーネントやアプリケーションを保護するソフトウェアやサービスの選択
    • 関連するプロセスや手順、最低限のガバナンスの定義と文書化
    • 品質保証、手順テスト、カオステストのための本番コピーの展開

    2.ディザスターリカバリーに対応するために、高可用性を拡張する

      もちろん、皆が皆HAを全く考慮せずに、クラウドへの移行を行ったわけではありません。ITチームの中には、HAをオンプレミスに残していかないという先見の明がありながら、クラウド化を急ぐあまり、重要なサーバーをすべて同じクラウドの可用性ゾーンに移動してしまったところもあります。

      完全に脆弱な状態よりは、多少なりともHA保護を導入している方が良いですが、サーバーとアプリケーションを単一の可用性ゾーン(AZ)にしか展開していないのであれば、今こそスタンバイクラスターノードをマルチAZに拡張し、さらには別の地域に3番目のノードを展開することでディザスターリカバリーを構築する時なのです。SIOSは、多くのお客様がマルチAZアーキテクチャを計画し、ディザスターリカバリーソリューションを追加するお手伝いをしてきました。

      3.チームを編成する

      一夜にして、一部の企業とそのITチームは、完全なオンプレミスから、CloudFormationテンプレート、クイックスタートガイド、IAMロール、内部ロードバランサー、オーバーレイIP、VMサイズの意味を正確に読み解くことなどに取り組むようになったのです。今こそ、クラウドへの移行をサポートするチームを作る時です。そのために必要なことは次の通りです。

      • キャパシティの追加。完全なリフト&シフトができない限り、クラウドとオンプレミスのアプリケーションを同じスタッフが管理することになります。レガシーソリューションは不安定で、安定性と可用性を維持するためには多くの作業が必要だということで知られています。今後のクラウド移行を乗り切るためには、可用性要件に対応し、クラウドアーキテクチャを理解し、企業のニーズに合わせて今後の方針を決定できる能力が必要となります。
      • トレーニングによるスキルの強化。チームに対して、クラウドのトレーニングを実施します。クラウドソリューション、アーキテクチャ、ベストプラクティス、トレードオフに関する追加のトレーニングによって、組織内のITエクセレンスを強化する方法を探しましょう。しっかり訓練されたスタッフは、可用性の向上に資するだけでなく、経済的でスケーラブルかつ論理的な方法で、可用性、メンテナンス、および成長に対処できるというメリットもあります。つまり、クラウドインフラを構築する際に、無駄なコストを省くことができるのです。

        4.自動化とアナリティクスを統合する

        SIOS Technology Corp.のカスタマーエクスペリエンス担当バイスプレジデントとして、私は2021年に、いくつかの企業と仕事をしました。これらの企業は、HA、DR、チームを犠牲にすることなく、クラウド移行を実現しています。アップタイム99.99%の達成が必須で、災害対策は譲れないというのであれば、厳密なアナリティクスと追加の監視を追加する時が来たのです。

        可用性ソリューションには、災害や予定外のダウンタイムが発生した場合のリカバリーのために、アプリケーションを考慮した自動化とオーケストレーションが備わっているようにしてください。アナリティクスと自動化を追加してソリューションを強固にし、クラウド移行を受動的なフェイルオーバーから、障害が発生する前に積極的に通知して影響を軽減することに、もう一段階ステップアップさせましょう。アプリケーションのパフォーマンス低下や、レイテンシーの増加、エラー、VMの非応答が、ビジネスのピーク時のダウンタイムを避けるために間に合うように通知されることを想像してみてください。また、アナリティクスも重要です。アナリティクスによって、本来の可用性アーキテクチャから漏れてしまったシステムやアプリケーションを特定することができます。

        5.プロセスとガバナンスをアップデートする

        私たちが失敗だと思うことの多くは、プロセスの不備が根底にあります。組織のプロセスが最新のものであり、きちんと文書化され、適切に周知され、遵守されるよう徹底してください。そしてこれらのプロセスには、「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どのように」行うかという、事業戦略、目標、顧客に関する組織のニーズに関連して、最低限必要な項目が含まれている必要があります。

        また、新しいクラウド環境のオーナーシップと承認プロセスがきちんと文書化されていることを確認してください。私はこれまでに、インフラを取得するハードウェアチームからクラウドチームへ移行したお客様で、役割や責任が衝突したり不明瞭だったりすることによってうまくいかなくなっているケースを目の当たりにしてきました。移行を何とか切り抜けているということも一つの問題ですが、明確なガバナンスを持たずに災害から立ち直ることは、より大きな、よりコストのかかる問題なのです。 

        クラウドへの飛躍を果たしたのであれば、そこにとどまり、その効果を発揮させることが、取り組みの次のステップです。クラウドへの移行が突然のものであったり、険しいものであったりした場合は、クラウド化の取り組みをより良いものにするための5つのポイントを検討することをお勧めします。またサイオステクノロジーは、クラウドでの高可用性だけでなく、クラウドでの運用プロセスの改善もサポートいたします。