LKCLIとは?自動化で実現する人的ミスの回避方法

    最近、社内での勧めもあり後学のため読んだ資料に、金融庁で公開されている資料「金融機関のシステム障害に関する分析レポート」というものがあります。

    このレポートを読んでみて驚いたのは、最近よく見聞きする金融業界での障害の27%は「管理面または人的要因」だという事でした。(レポートp.8参照)

    執筆者(中の人)の若いころでちょうどITバブルといわれた頃は、まだまだ手動での作業が多く、私自身や身の回りで多くのトラブルに直面していたと記憶しています。
    近年はこういった課題の多くは洗い出されており、多くの処理がシステムによって自動化され、トラブルも減少したと認識しています。
    ところが、まだまだ人的ミスは減っていないんだなとレポートを読み改めて感じました。

    そこで今回は弊社クラスターソフトウェアであるLifeKeeper における、人的ミスの削減への対策について少し話していこうと思います。

    LKCLI(LifeKeeper コマンドラインインターフェース)

    そもそもLifeKeeper とは、弊社で開発、販売を行うHAクラスターソフトウェアです。
    特徴として、

    • アプリケーションの保護でスクリプトの開発を必要としない Application Recovery Kit(ARK)
    • 導入を容易にするGUI
    • 高い製品サポート満足度

    などが挙げられます。LifeKeeperの詳細についてはこちらをご覧ください。

    ARKによって各アプリケーションに合わせた動作保証済みスクリプトが提供されるので、スクリプト作成が不要で、設計ミスなどのトラブルを回避することができます。

    GUIによる設定は設定のし易さというメリットがある一方、導入時には必ず手動での操作が必要となり、どうしても設定漏れやミスを誘発しやすくなります。
    そのためLifeKeeper for Linux では、v9.5.0のリリースからコマンドラインによる、
    LifeKeeperの構築を含む操作が可能となるLKCLIコマンドを提供開始しています。

    このコマンドラインの提供によって、以下のような効果が期待されます。

    • 作業工数の短縮
    • 作業の自動化による人的ミスの軽減
    • GUI環境(X window system)をそぎ落とすことによるOSの軽量化
    • OSパッケージ削減によるセキュリティ強化

    これまでLifeKeeper for Linuxの構築時にはGUI環境が必須だったのですが、LKCLIコマンドを利用することで、GUI環境無しでも導入が可能となりました。
    このことでOSパッケージを減らすことができ、稼働するプロセス数の軽減により、システム負荷の軽減やセキュリティの強化がなされました。

    またコマンドラインでの操作が可能となることでスクリプトの作成が容易となり、スクリプト処理による一定の品質を保つことが可能となりました。

    特にLifeKeeper for Linuxの導入業務に従事する際、GUIでの手動操作が必須だった状況から、LKCLIによる操作やスクリプトの作成が可能となり、手動操作による操作ミスを減らすことに繋がりました。

    LKCLIの詳細については以下をご確認ください。

     

    AnsiblleによるLifeKeeper for Linuxの自動インストール

    LKCLIコマンドが導入されたことで、LifeKeeper for Linuxの導入でAnsibleを用いた自動化ができるようになります。
    この対応によりスクリプト開発のように専門知識が無くても自動インストールができます。

    具体的なAnsible の導入手順についてまとめたブログも2本公開していますので、ぜひご覧ください。

    Ansible への対応が可能となったことで、LifeKeeper for Linux の導入以外の処理(OSやプラットフォームの準備)、自動化処理とも連携が可能となり導入作業が一元管理できます。

    まとめ

    システム障害の原因の一部が人的要因だという点については、上記に紹介したように人の手が介入する操作を減らすことで改善されます。

    LKCLIやAnsible対応は導入に要する時間の減少や品質の向上に有効な手段です。
    操作について不明な点は各サポート窓口でも対応しておりますので、導入や運用に取り入れてみる際はお気軽にお問い合わせください。

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