冗長化とは?ITシステムにおけるその意味と仕組みを解説

    「冗長」とは元々、文章表現などが長たらしくむだのある“望ましくない”状態を指す言葉ですが、ITの世界ではまったく反対に“望ましい”状態を指す表現となります。

    では、ITシステムにおける冗長(冗長化)とは、どういう意味なのでしょうか。そして、なぜ冗長化が必要なのでしょうか。この記事では、冗長化の目的や仕組み、冗長化を実現する為の具体的な方法をご紹介します。

    1.ITシステムにおける冗長化とは

    冗長化とは、ハードウェアやシステム構成などの予備を配置・運用して、二重化(多重化)することを意味します。 例えば、今使っているPCと同じPCをもう1台、予備機として用意しておく…これはPCを冗長化することになります。

    サーバーやストレージ、ネットワーク機器など、あらゆるハードウェアについても同様のことができます。 また、サーバー/ストレージ内部の複数ディスクで実現する「ミラーリング(複数のディスクに同じデータを書き込む)」という仕組みも、ディスクという部品の冗長化になります。

    ここまで書くと、もうおわかりだと思いますが、冗長化の目的は、稼働中のハードウェアに障害が発生した時に、予備のハードウェアに切り替えることで少しでも早く復旧することです。ビジネスのITシステム依存が高まっている現在、システム障害発生によるサービス停止は、企業に深刻なダメージを与える可能性があります。

    冗長化は、“できるだけビジネスを止めない障害に強いITシステム”を実現するために欠かせない手段と言えます。

    2.システムの冗長化を実現する仕組み

    しかし、ただ冗長化しただけでは業務継続が難しい場合もあります。例えばPCの場合、全く同じスペック・環境(OSやアプリケーション)のPCを用意していたとしても、壊れたPCのローカルに保存していたファイルや受信メールはもう一台のPCで見ることはできません。このように、ハードウェア+ソフトウェアだけ冗長化しても最新のデータがなければ業務継続はできないのです。サーバーやストレージなどで構成される企業規模のシステムでも同じです。

    データの冗長化ということでは、多くの企業でデータのバックアップを行っていると思います。でも、実際にサーバーに障害が発生してから、予備機でバックアップからリストアして利用できるようにする…というのは結構大変です。もし、予備機の方でも本番機と同じ最新のデータが利用できたら、予備機を起動して切り替えるだけで済むので復旧作業が随分楽になりますよね。

    それを実現するのが「HAクラスターシステム」です。HAクラスターシステムは、稼働系と待機系で冗長化されたサーバーと、両サーバーがアクセスできる外部ストレージ(共有ディスク)で構成されます。万が一、稼働系サーバーに障害が発生した時には待機系サーバーに切り替えることで、待機系サーバー+最新データが収まった外部ストレージの組み合わせで、サービス継続が可能になります。

    ちなみに、サーバー内部のディスク間のデータ同期をリアルタイムで図る「レプリケーション」でも、同様の機能を実現できます。レプリケーションは、高価な外部ストレージの導入が不要な上に、双方に最新のデータが保持されるため、DR対策としてもすぐれています。

    3.ソフトウェアで障害発生時のサーバー切り替えを自動化

    いくらサーバーを複数台用意していても、障害発生時のサーバー切り替えが手動のまま…というのはおすすめできません。いつも不測の事態に備えなければならず、障害発生に気付かず対応が遅れてしまうリスクもあります。

    可能な限りダウンタイムを最小化するための冗長化ですから、障害発生を検知して自動的に待機系に切り替え(フェイルオーバー)してくれる仕組みが理想的です。

    サイオステクノロジー株式会社が提供するHAクラスターソフトウェアLifeKeeper」ならサーバーの切り替えを自動化でき、システム担当者の負担を軽減します。グローバルで8万ライセンスの豊富な導入実績と製品サポート満足度99.0%で安心の安定稼働を実現します。

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    4.ダウンロード資料「HAクラスタ―製品選定ガイド」

    冗長化の手段としてHAクラスターやレプリケーションが効果的とお伝えしましたが、HAクラスターシステムにはどのような種類があるのか、それぞれにどんな特色があるのかをまとめた資料をご紹介します。自社システムの冗長化検討の参考に、是非ご活用ください。