※この記事は翻訳されたものです。本記事の原文はこちら
‐カスタマーエクスペリエンス担当バイスプレジデント Cassius Rhue
カスタマーエクスペリエンス担当バイスプレジデントとして、私は多くの組織が、ビジネスの高可用性に影響を与える可能性のあるツールやプロセスを導入する際、意識的かつ慎重に取り組んでいるのを見てきました。これらの企業は通常、HAクラスタリング、DR、セキュリティ、バックアップなどのソリューションの変更に際して、厳格な審査など、HAに関して細心の注意を払っています。ほとんどの企業は、アプリケーション全体の可用性とシステムの安定性に影響を与えないように、このようなツールの変更は慎重に検討し、テストする必要があることを理解しています。そしてIT管理者は、HAクラスタリング、ディザスターリカバリー、セキュリティ、またはバックアップソリューションにおける些細な変更でさえ、大きな混乱につながる可能性があることを認識しています。
しかし、他のワークプレイスツールや生産性向上ツールの変更は、同じような注意を払って検討されないことがほとんどなのです。
HAソリューションを損なう可能性のある8つのポイント
1.ドキュメントの喪失
使用中のツールには、会社、決定事項、統合、HAアーキテクチャ全体に関する多くのドキュメントがカプセル化されていることが多いです。チームが新しいツールに移行すると、これらのドキュメントが失われたり、アクセスが遮断されたり、妨げられたりしてしまうことがあります。
推奨の対応策
すべての既存ドキュメントをエクスポートし、新しいツールにインポートする。アーカイブストレージとバックアップを使用して、インポート前のデータの完全なコピーを保持する。
2.要件の欠落
ドキュメントと同様に、ツールの移管時に真っ先に失われることが多いのが要件です。
推奨の対応策
既知の要件を文書化し、既存の生産性向上ツールから要件関連ドキュメントをエクスポートする。
3.履歴とマインドシェアの喪失
ドキュメントや要件と同じくらい重要なのは、変更、改訂、決定の背後にある履歴です。多くの組織では、ワークプレイスやオフィスの生産性ツール内に履歴情報を保管しています。このような情報には、以前に評価したツールやソリューションに関する決定事項が含まれていることがあります。これらのワークプレイスツールが変更されたり移行されたりすると、このような履歴が失われることがあります。既存のツールには多くの暗黙のナレッジが含まれていることも多く、新しいツールが統合されると、そのようなナレッジやマインドシェアが失われてしまうのです。20年前、私たちのチームはバグ追跡ソリューションの移行を行いました。ツール間のナレッジ量の差は大きく、問題の管理、バックアップ、解決を担当しているITチームを含む複数の部門に影響を及ぼしました。
推奨の対応策
マインドシェアやナレッジに関して新しいツール間で十分なトレーニングを行い、引き継ぐようにする。現在のツールの使用を停止する前に、現在のツールおよび以前のツールに関する履歴、背景、および決定事項を文書化する。
4.アクセス権・アクセス制御の喪失
新しいツールには、それぞれ異なるセキュリティとアクセスルールがあります。移行時に、管理者が多すぎたり、足りなかったり、権限に制約が多すぎたりするといったことがしばしば発生します。
推奨の対応策
要件とセキュリティルールに基づいたアクセス制御とユーザー制御を事前にマッピングし、迅速に解決するためのプロセスを用意する。
5.連絡先の紛失
メールや連絡先システムの移行がシームレスに行われることは滅多にありません。既存のバージョン間のアップグレードでさえも、影響を及ぼす可能性があります。あるツール(ExchangeやGmailなど)から移行した場合のデメリットのひとつは、連絡先が失われる可能性があることです。私たちのチームは、あるお客様から、パートナーの連絡先を入手するためのサポートを依頼されたことがあります。メールシステムの移行が滞り、重要な連絡先にアクセスできなくなっていたのです。
推奨の対応策
連絡先の移行と検証に関する計画を立てる。HAクラスター関連の重要な連絡先の移行は、必ず検証済みの移行手順に含まれるようにする。
6.破綻した統合
統合が失われると、一般に高可用性、監視、アラートに影響があります。企業がより新しい生産性ツールに移行するにつれて、既存の統合が機能しなくなり、追加の開発が必要になることがあります。たとえば、以前はSkypeでメッセージをやり取りしていた企業がSlackに移行した場合、Skypeでメッセージを配信していたツールの多くを調整する必要がありました。HA環境では、ダッシュボードやアラートシステム間がきちんと統合されていないと、重要な通知をタイムリーに受信できない可能性があります。
推奨の対応策
ワークフローの自動化を計画し、ツール間の統合ポイントを特定する。また、新たな要件や統合の機会を特定する作業も行う。概念実証や管理されたデプロイの段階で、統合を計画しテストする。
7.チャンピオンの不在
すべてのツールセットには、チャンピオンと評論家がいます。チャンピオンは、管理者と同じである場合もあれば、そうでない場合もあります。チャンピオンの役割は組織やツールによって異なりますが、共通しているのは、自分や他の人のために、新しい生産性向上ツールの問題、課題に取り組もうとする姿勢です。チャンピオンは、新機能を最初に見つけ、新しい問題を発見・報告し、ツールセットを新しく使う人たちをサポートします。チャンピオンは、マインドシェアやそれまでの経験を超えた存在です。ツールセットの変更に伴い、チームにチャンピオンがいなくなってしまうことがしばしば起こります。
8.生産性の低下
新しいツールは、たとえHAに直接関係ないものであっても、チームの生産性に影響を及ぼします。優先順位管理、開発、コードリポジトリに関連するツールでさえ、立ち上げとオンボーディングに時間がかかります。これは生産性の低下につながることが多く、それによってクラスターのリスクが生じる可能性があります。新しいツールへの変更によって混乱が生じたり、プロセスのフローが中断されたりして、生産性がさらに低下することがないように、既存のツールや新しいツールのすべてに関連するプロセスがきちんと文書化されるよう徹底してください。
推奨の対応策
トレーニングツールの使用、プロダクトチャンピオンの活用、学習曲線の短縮を重視した展開により、生産性低下のリスクを低減する。
高可用性ソリューションを損なわないように職場の生産性向上ツールを変更するには、要件の把握、重要なドキュメントの特定、マインドシェアの引継ぎ、依存関係のマッピング、適切なアクセスのテストと設定、ツールセットのチャンピオンの特定を行い、新しいツールによって主要リソースでアップタイムが維持できなくなったりせず、確実に生産性を改善できるようにしてください。
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