よくある3つの可用性対策と、HAクラスターの使いどころ

    システムの可用性について、企業のシステム部門の方やシステム構築・運用されるSIerの皆さまはシステム構築やリプレイスの際にそのシステムがどれくらいミッションクリティカルなのかは意識されますよね。

    本記事ではシステムの可用性を高める方法を簡単におさらいし、コストパフォーマンスが良いとされるHAクラスターを選択する際にどうやって選定するのが良いのかを紹介します。

    記事の最後にHAクラスターの選定方法を纏めた資料を用意していますので、是非ご活用ください。

    システムの可用性対策3つの方法

    1.バックアップ&リストア

    定期的にバックアップをとり、障害発生時に手動でリストアするという方法です。

    コストは安く、シンプルな運用になります。ただし、システム障害発生時に人が最新のバックアップを手動でリストアすることになりますので、ある程度のダウンタイムは許容する必要があります。また、人が介在するので復旧操作ミスが発生する可能性も考えられます。

    数時間の停止が許容できるシステムではバックアップ&リストアも選択肢になります。

    2.HAクラスター

    HAクラスターはシステムを冗長化してシステム障害時に待機系に切り替えてサービスを続行する仕組みです。稼働率は99.9%のシステムを言います。システム構成にもよりますがダウンタイムは数分で抑えることができます。

    OSだけでなくミドルウェアやアプリケーションの監視を行い、システム障害の際には自動で待機系に切り替わります。

    昼夜を問わずシステム障害の可能性はありますので、夜間の緊急対応など運用者の負担も軽減できます。HAクラスタリングソフトウェアはRPO、RTOとコストのバランスが良いのも特徴です。

    3.フォールトトレラントシステム

    フォールトトレラントシステムとは、機器やシステムなどが構成要素の一部が故障、停止した場合も予備の系統に切り替えサービスを継続することができるシステムです。また、そのような仕組みや設計方針のことを言います。稼働率は99.999%のシステムを言います。

    電源などハードウェアも含めシステム障害に備えるため、コストは高くなります。

    コストパフォーマンスの良いHAクラスター

    前述のようにHAクラスターはコストパフォーマンスが良いと言えますが、選択するHAクラスタリングソフトウェアによってもコストは変わってきます。

    OSSを選択するのか商用を選択するのかなどHAクラスターをどうやって選べば良いかをご紹介していきます。

    HAクラスターもいろいろありそうだけど、どうやって選ぶ!?HAクラスター3つの選定基準

    1.対応環境

    まずはHAクラスターが動作するOSや対応するミドルウェアやアプリケーションにより利用できる選択肢が絞られます。ご検討中のシステムのOS、保護したいミドルウェアやアプリケーションを確認する必要があります。

    2.サポートレベル

    IT人材の不足が叫ばれるなか、システムの構築や運用をする人材の不足も多くの企業で課題になっています。自社だけでは解決が難しい、時間がかかりそうな時にしっかりとしたサポートは強い味方。構築・運用者としては選定の重要なポイントとなります。

    3.費用

    HAクラスターはOSSを利用して構築することも可能です。サブシステムなどシステムによってはそこまで費用が掛けられない場合、OSSを選択する方法もあります。OSSを選択する際もサポートに関しては必ず考慮しておきたい点です。

    要件に合ったHAクラスターを選定しよう(まとめ)

    システムのダウンタイムを数分以内に抑えたいという場合、HAクラスターの導入は費用対効果が高いと言えます。HAクラスターにはOSSや商用のものがあり、要件に合ったHAクラスターを選択する必要があります。

    数あるHAクラスタリングソフトウェアの中からどう選べば良いのか、何故それを選ぶのかを説明する際にも役立つ資料を用意しています。選択式で選んでいけば、皆様にピッタリのHAクラスターが見つかる簡易診断や概算見積もりを取得する際に事前に調べておくとよい項目などが記載されていますので是非ダウンロード頂きご活用ください!