Microsoft Azureでよりシンプルで高機能なクラスター構成が可能に。 Azure共有ディスクを使用したクラスター構成を解説

    こんにちはサイオステクノロジーの宇野です。

    2020年7月にMicrosoft Azureの機能として一般提供が開始された「Azure共有ディスク」。本記事では、Azure共有ディスクを利用したHAクラスター構成の概要からメリット・デメリットについて簡単に解説しています。記事の後半では、当社のLifeKeeper for Linuxで採用するスプリットブレイン対策として有効なSCSI Reservationとの組み合わせによって非常に堅牢なHAクラスター構成が可能になる参考情報もお伝えします。


    Azure共有ディスクとは

    Azure 共有ディスクは、Azureのマネージドディスクを複数の仮想マシン (VM) に同時に接続して利用する機能です。そのためHAクラスターで使用する共有ディスク構成をAzureで実現することが可能となります。

    従来のクラウド環境では共有ディスクが使えないことが一般的でしたが、最近は各クラウドベンダーで、Azure共有ディスクのような、HAクラスター製品に応用できる共有ディスクのサービスが提供されています。

     

    Azure共有ディスクを利用したHAクラスター構成

    Azureでは、Windows ServerのHAクラスター機能であるWSFC(Windows Server Failover Clustering)とAzure共有ディスクを組み合わせて使うことができます。また、当社で扱うクラスターソフトウェアLifeKeeper for Linuxでも、バージョン9.6.2からAzure共有ディスクを利用したHAクラスター構成が可能となりました。これまでDataKeeperによるレプリケーション構成のみが利用できましたが、共有ディスク構成が可能となることで、以下のようにより多彩なクラスター構成が可能となりました。

     

    Azure共有ディスクを利用するメリットとデメリット

    メリットとしては、Azure共有ディスクを利用することでディスクの使用量、ネットワークトラフィック、またDataKeeperのライセンス費用について従来の構成より抑えることが可能となりました。

    デメリットとしては、共有ディスクが単一障害点となる点があります。これはバックアップ機能によって対策頂くことでデータの消失という問題の回避が可能です。

     

    SCSI Reservationの利用でさらに堅牢なHAクラスター構成が可能に

    また、Azure共有ディスクでは、当社のLifeKeeper for Linuxで採用するSCSI Reservationがサポートとなりました。
    SCSI Reservationは、低レイヤーでのディスクReserveを行うため、大変堅牢なスプリットブレイン対策としてリリース当初からから好評です。このSCSI Reservationと組み合わせることにより、非常に堅牢なHAクラスター構成が可能になります。

    現時点でLifeKeeper for Linuxが共有ディスク構成をサポートしているクラウド環境はAzureのみです。LifeKeeper for Linuxがリリースされてから20年以上となりますが、リリース当初から利用されているSCSI Reservationを使用し、より安全性の高いシンプルなクラスター構成をAzure上で実現してみてはいかがでしょうか。

    参考情報

    Microsoft Azure クイックスタートガイド

    https://docs.us.sios.com/spslinux/9.6.2/ja/topic/microsoft-azure-quick-start-guide

    Azure Shared Storageのセットアップ方法

    https://docs.us.sios.com/spslinux/9.6.2/ja/topic/how-to-setup-azure-shared-storage

     

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