【海外事例】史上最高のスタジアムをつくれ。WSFCとDatakeeperでHyper-V仮想マシン上の高可用性を実現。

    サイオステクノロジー海外拠点の事例のご紹介です。
    仮想環境にてDataKeeperとWSFCを組み合わせて高可用性を確保いたしました。
    オーストラリアで最もスマートで最高のテクノロジーを備えたスタジアムに選ばれた「パース・スタジアム」。
    そのプロジェクトの背景やこれまでの道のりについて、詳しくご紹介いたします。

    WSFCと共に導入されたDataKeeperにより、
    Hyper-Vの高可用性を実現

    SIOS DataKeeperは、デバイスとデータのさまざまな統合を安全にサポートし、高い可用性を保証しながら、シンプルで管理しやすく、それでいて費用対効果の高い堅牢なソリューションを提供する唯一の方法でした。

    パース・スタジアム(Perth Stadium、通称:オプタス・スタジアム)は、西オーストラリア州パースにある、ハイテク対応の多目的スタジアムです。
    2017年末に完成し、2018年1月に正式オープンしたこのスタジアムは6万人を超える観客を収容でき、メルボルン・クリケット・グラウンド、スタジアム・オーストラリアに次いで、オーストラリア第3位の規模を誇ります。また、オーストラリアで最もスマートで最高のテクノロジーを備えたスタジアムにも選ばれています。

    シーメンスのコマーシャル・プロジェクト・マネージャー、サッシャ・ラルフ氏によると、このスタジアムは西オーストラリア州のランドマーク的なプロジェクトであり、街の風景のシンボルとなっています。このプロジェクトは、政府から多額の資金提供を受けていることから、当初から注目を集めていたインフラ開発プロジェクトです。

    スタジアムの建設とITアーキテクチャ両方の複雑さを考えると、このプロジェクトは、特に建築、ビル管理、IT業界にとって驚嘆すべきものでした。Providence Solutions Australiaは、シーメンスおよびBGISと協力してプロジェクトの複雑さを乗り越え、オーストラリア史上最高のスタジアムの1つを完成させるための強力なチームを構築しました。初年度の運営が終わりに近づいた今、プロジェクトの背景やこれまでの道のりについて、詳しくお話ししたいと思います。

    課題:可用性の確保

    スタジアムの設計は高度にカスタマイズされたものであったため、これは最初から難しくてやりがいのあるプロジェクトでした。また、ゼロから始めるプロジェクトであったため、設計図も、参考にできる資料や過去の事例もありませんでした。むしろ、将来の同様のプロジェクトのための設計図をこのプロジェクトの中で作成しました。

    このプロジェクトでは現在、そして将来に向けて、スタジアム固有のニーズをすべて満たす、
    目的に合わせてカスタマイズされたIT管理ソリューションが求められていました。

    IT設計要件の複雑さは、高メガピクセルカメラ、ミッションクリティカルなアプリケーションサーバー、多数のマルチベンダー製品との統合と依存関係、イベント当日のサービス提供、多様なベンダーとICT(情報通信技術)要件など、多岐にわたっていました。それに加えて、予算とスケジュールを守り、最高レベルの品質とセキュリティを確保することも重要でした。

    プロジェクトの将来的な要件に対応するために最新のテクノロジーが導入されているという点も、このプロジェクトの要件が複雑になった一因でした。
    顔認証、極めて精巧なアクセスシステム、何千ものセンサーに至るまで、スタジアムを最先端の装備にするために、ハイテクで将来性のあるテクノロジーが選択されました。
    しかし、このために現場で取得して保存するデータの量が膨大になり、そのようなデータを安全に保管するための強力なソリューションが必要となりました。

    また、スタジアムに実装されているテクノロジーのパフォーマンス要件によって、プロジェクトはさらに複雑になりました。たとえば、防犯カメラのパフォーマンス要件だけでも桁外れで、相当な数の超高精細カメラを含む約700台のカメラが必要でした。
    さらにCCTV管理ソリューションでは、確認、分析、顔認識、データベースマッチング用に、1PBのスケーラブルな階層型ストレージがプロビジョニングされていました。

    また、可用性要件も99.9%から99.999%(ファイブ・ナインズ)まで、さまざまなレベルにわたっていました。データやアプリケーションの処理が中断されないこと、サーバーが故障した場合でもデータやトランザクションが失われないこと、そして修理中も継続的なコンピューティングが可能であることを保証する必要がありました。

    Hyper-V仮想マシンの高可用性を実現するソリューション

    Providence Solutions Australiaは、エンド・ツー・エンドのソリューションの設計と構築を担当する機器テクノロジーパートナーとして選ばれました。設計からエンジニアリング、構築、実装に至るまで、同社はオプタス・スタジアムの統合コンピューティングITプラットフォームの「頭脳」として活躍しました。

    オプタス・スタジアムは、持続可能な統合コンピューティング・インフラストラクチャ・プラットフォームを採用したオーストラリア初のスタジアムです。ビルおよびIT両方の側面でのプロジェクトの複雑な性質を考慮すると、このようなプラットフォームは不可欠な要素でした。

    持続可能な統合コンピューティング・インフラストラクチャ・プラットフォームは、複数のアプリケーションとデータの収容が可能な単一のプラットフォームであり、耐障害性、高可用性、高パフォーマンス、シームレスな災害復旧機能による回復を備えています。
    簡単に言うと、これは何にでも対応できるスーパープラットフォームです。

    管理対象のシステムやアプリケーションが多様化していることから、ハイパーコンバージド統合コンピュートプラットフォームがテクノロジーとIT全体の構築の鍵であると考えたProvidence Solutions Australiaは、同社のHyper-V仮想マシンで高可用性を実現するために、Microsoft Windows Serverフェールオーバー クラスタリングとSIOS DataKeeperを導入しました。
    高可用性を保証しつつ、デバイスとデータのさまざまな統合を安全にサポートし、シンプルで管理しやすく、かつ費用対効果の高い堅牢なソリューションを実現するには、これしかないと判断したのです。

    スーパープラットフォームと総合ビルソリューションは、スタジアム運営のためのエンド・ツー・エンドのソリューションがあって初めて機能します。
    この単一のプラットフォームには、ビデオ監視管理、録画およびアーカイブ、音声、データ、ストレージ、産業用監視(SCADAシステム)、HVAC、ビルおよび電源管理、セキュリティシステム、テレビドアホン、灌漑設備、看板、エレベーター、照明制御などの複数のシステムが統合されています。

    さらに、統合プラットフォーム上では、ジョンソンコントロールズ、フィリップス・ダイナライト、シンドラーなどのサードパーティ・ベンダーのアプリケーションも動いています。

    結果

    そしてスタジアムは完成し、オープン以来、一般の方や来場者から好評をいただいています。
    このスタジアムは、最先端のスタジアムであると同時に、優れたアナリティクス機能を備えた将来性のある基盤上に構築され、透明性が高くインテリジェントなセキュリティを備えた職場でもあります。

    スタジアムはITセキュリティを最優先に考えて設計され、建設を担当したMultiplex社が設定したすべての技術仕様と性能要件を満たして建設されました。ITアーキテクチャと設計は、将来の拡張も見据えたものになっています。

     

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