みなさん、こんにちは。西下です。
最近SAP案件で多いのが、HANAのデータベースのみをLifeKeeperで冗長化させたいというご要件です。もちろん、ASCSやERSといったNetWeaverに合わせてHANAを冗長化させたいというご要件も以前から多いのですが、HANA単体のご要件の増加が著しいです。
そこで今回はSAP HANAの冗長化でLifeKeeperを使うメリットについてご説明いたします。
お客様にヒアリングさせていただく中で、普段我々が訴求させていただいている下記のポイントが世の中に周知されてきていることが分かりました。
- SAP HANAはインメモリー型のデータベースである。
- そのため単体で運用していて障害が起こると、復旧手順の過程でメモリーロードが数十分~数時間要してしまい、RTO(目標復旧時間)が致命的に大きくなってしまう。
- そこで障害に備えて、予め待機系のデータベースを用意しておき、HSRで常に同期を取っておく(HSR単体では障害の自動検知や切り替えまではできない)
- ここまでやるのなら、もう一歩進んで、HAクラスターによるHANAの障害の自動監視と自動切り替えまでもやってしまおう。
ご覧のように、インメモリー型データベースのSAP HANAは非常に高速な処理が強みですが、反面障害復旧時のメモリへのデータロード時間の長さが課題になります。
SAP HANAの冗長化にはOSS系のクラスターソフトが使われることもありますが、運用の中にHANAのコマンドラインの操作が必要になることが多く、結果として運用担当への引き継ぎが煩雑になるというお話もよく耳にします。LifeKeeperではこれらをGUIの画面上の簡単な操作で完結できる点がメリットの1つといえます。
当社ではSAP HANAを保護するための製品機能を「SAP HANA Recovery Kit」*1としてご用意しております。LifeKeeperでこのSAP HANA Recovery Kitを使うことで、制御スクリプトを書かずに、さらにHANAのコマンドラインを意識せずにHANAとHSR(HANA System Replication)の監視や切り替えがGUIのクラスター機能の中で完結します。
*1:SAP HANA Recovery Kitをお使いになるには、上位エディションのSIOS Protection Suite Linux v9 EEが必要になります。
SAP HANAの冗長化でLifeKeeperを使うメリット
LifeKeeperにより、HANAの冗長化が低工数でできます。
- HANAの障害の監視・検知・切り替えによる復旧を自動的に行います。※1
- スクリプトの作成不要。当社製のスクリプトをGUIで容易に適用できます。リソース作成時に自動的にチェックも行われるため、構築工数を大幅に減らせます。
- 切り替えや切り戻しの操作は、全てLifeKeeperのGUI上で完結。OSS製品にありがちなHANAのコマンドを意識する必要がないので、構築後運用担当への引継ぎもスムーズ。
*1:[[Linux]SAP HANA Recovery Kit 処理概要]
LifeKeeper for LinuxはSAP社の認証を受けています。
HANAの導入検討のお客様、またはご提案中SIer様におかれては、障害復旧時間も視野に入れてHANAのHAクラスター構成をご検討されてみてはいかがでしょうか?!
下記ソリューション専用サイトで詳細をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
関連情報
BeeX様の検証ブログ:【AWS】SIOS LifeKeeperでのSAP HANA Replicationのクラスター化
BeeX様の検証ブログ:AWS上にWindowsクラスター構成でSAP環境を構築してみた(DataKeeper利用編)
当社ブログ:SAP関連記事
[Linux] SAP HANA Recovery Kit 処理概要
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