デジタル・トランスフォーメーション
「デジタル・トランスフォーメーション」という概念は、フォーチュン誌に掲載されるような企業の経営陣にとっては、もはや目新しい派手な言葉ではありません。デジタル・トランスフォーメーションにおいて重要なのは、企業がクラウド・コンピューティングをどう考えるかということです。かつては、クラウドに移行するか、それともすべてをオンプレミスで維持するかという2つの決断しかできないように思えましたが、今では選択肢はもう少し「Cloudyな(はっきりしない)」ものになっています。
デジタル・トランスフォーメーションの時代、フォーチュン企業はマルチクラウド戦略に注目しています。これらの企業は、データを1つのクラウド・プロバイダーにサイロ化すると、柔軟性や値引きを交渉できる可能性が低下する一方で、プロバイダーのシステム障害により本番のワークロードが影響を受けるリスクが高まることを理解しています。フォーチュン1000企業がマルチクラウド戦略を考える際、基本的には次の3つの選択肢があります。
- 一部のデータはオンプレミスで保持し、その他のデータはクラウドに配置する。
- 1社のクラウド・プロバイダー内の異なるリージョンやゾーンにデータを配置する。
- 複数の別々のクラウド・プロバイダーにデータを配置する。
これら3つの優れている点は、企業のビジネス目標の達成方法、予算の割り当て方法、リソースのプロビジョニング方法に動的に対応できることです。ただしこのマルチクラウド・シフトを導入する場合は、企業で使用している従来のテクノロジーの一部を変更する必要があります。
当社のお客様で、財務ソフトを開発し、財務・会計・税務準備ソフトを販売しているフォーチュン500企業の1社が、OSをRHELからAmazon Linuxに切り替えるということで、私たちのところへ相談に来ました。同社のワークロードはすでにクラウド上で実行されていたため、同社は明らかにデジタル・トランスフォーメーションをかなり深くまで進めていました。しかし、大規模にクラウド展開している自動化ツールチェーンとOSの両方を変更するのは、簡単なことではありません。
小編成のチームとしてクライアントの要求にすぐに応えられることを売りにしている当社は、2週間足らずで作業を完了しました。LINBITは現在、Amazon Linux上でDRBD 9.0をサポートしています。クライアントの需要の変化、ワークロードのクラウドへの移行、コンテナの普及に対応し、コミュニティやクライアントからのフィードバックに耳を傾け、ダイナミックに行動するために最善を尽くしています。
何百万件ものダウンロード数を誇る当社は、クライアントやオープンソース・コミュニティのユーザーからの要望を重視しています。また、NVMeやOptaneなどのハードウェア上の従来のワークロードのためのLinux高可用性クラスターや、災害復旧クラスターのパフォーマンスの向上方法を追求しながら、パブリッククラウドやプライベートクラウド環境と連携したKubernetes環境におけるカーネル技術の役割についても研究しています。「今までにはなかったどのような課題があるのか?」「ユーザーは何を求めているのか?」といったような問いが、私たちの開発の原動力となっています。
DRBDユーザーの皆さん、ぜひコミュニティのIRC(freenodeの#drbd)やメーリングリストのフォーラムに参加して、コメントに返信したり、Youtube動画についての質問をお寄せください。そして、大企業が5年間のテクノロジー目標で選択するテクノロジーを決定する中で、オープンソースによるイノベーションの推進を加速しましょう。
※こちらの記事はLINBIT社のブログを翻訳した内容になります。
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