Spirent社は、通信分野の試験と測定に関する世界的なリーダー企業で、世界15か国、20拠点で展開しています。また、通信業界向けの革新的なハードウェアとソフトウェアソリューションや、試験方法を開発しています。
同社のIT部門は、効率性を向上し、顧客への最高品質のサービスを維持する方法を常に模索しており、事業をAmazonクラウドに移行することでもたらされる様々な利益を認識していました。
Amazon EC2 に移行すれば、かなりの柔軟性、スケーラビリティ、効率性を得られるはずでした。この移行で、Spirentの成長が加速し、要件の変化に合わせて追加のITリソースを投入できます。」とSpirent Communications の上級ビジネスシステムアーキテクトのソハム・チャテジー氏は述べています。
課題
Amazon EC2への移行を成功させるためには、Siebelのゲートウェイサーバーとファイルサーバー用のアプリケーション環境で高可用性を確保する必要がありました。
「重要なアプリケーションをダウンタイムやデータ損失のリスクにさらすことがないと確信するまで、クラウド移行はできませんでした。物理環境で使用している従来の共有ストレージクラスターは、共有ストレージを設定できないクラウド環境では利用できません。」とチャテジー氏は話しています。
Spirent 社には、マイクロソフト社のWindows Server Failover Clustering(WSFC)機能をサポートする、コストが手頃でデプロイしやすいソリューションが必要でした。
解決策
Spirentが採用したのは、ビジネスに不可欠なアプリケーションを保護することができる、サイオスのレプリケーション・ソフトウェアDataKeeper Cluster Editionでした。同社は標準のWSFCを使用し、構成要素としてDataKeeper Cluster Editionを追加することによって、Amazon EC2 に2ノードクラスターを構築しました。
DataKeeperは、異なるAWSアベイラビリティゾーンに置かれたインスタンス間で、効率的なリアルタイムレプリケーションによりストレージを同期します。またその際、WSFCに対しては、各ストレージをストレージエリアネットワーク(SAN)として認識させることができるため、共有ストレージなし―つまりSANLess Clusters構成をとることが可能でした。なお、ローカルストレージを使用するため、性能オーバーヘッドが最小でアプリケーションの応答時間が高速というメリットもあります。
またDataKeeperの直観的な構成ウィザードを使い、Spirent 社は迅速かつ容易にSANLess Clustersにアプリケーションをデプロイできるようになり、WSFCとの完全な統合のおかげで、同社ITスタッフはシステムの管理方法の変更や、複雑化の必要がありませんでした。
「WSFC環境にいるかのようにクラスターを構成できたので、運用にあたっての特殊技能やSAN管理者は必要ありませんでした。サイオスのDataKeeperのおかげで、AWSクラウドへの移行を効率的に実行できました」とチャテジー氏は述べました。
結果
DataKeeperは、Spirent社が重要なアプリケーションをAmazon EC2クラウドに移行する際、必要な保護を提供しました。クラスターの展開後、Siebelおよびファイルサーバー環境で、ダウンタイムやデータ損失は発生していません。
またSANLess Clustersは、フェールオーバー/フェイルバック試験を迅速かつ容易にすることもわかりました。 「DataKeeperならびに、Amazon EC2 クラウドのSiebel ゲートウェイサーバーとファイルサーバーのアプリケーション環境に対してSANLess Clustersが提供する保護に関しては、非常に満足しています。」とチャテジー氏は締めくくりました。