
こんにちは。サイオステクノロジー LifeKeeperプリセールス担当の高田です。
AWS環境へシステムを構築したい、または移行したい、という声をよく聞くようになりました。またAWS環境においてもなおアプリケーションの冗長化は重要と考え、クラスタリングによる冗長構成を望まれるお客様も増えております。
一方で、「AWSでクラスターを構築する」ことは、ハードルを高く感じ、不安なことも多いかもしれません。
「クラスター環境のネットワーク構成ってどうなるの?」
「クラスタリングを試してみたいけど、構築時間が掛かりそう」
実はLifeKeeper for Linuxでは、AWSクイックスタートをご用意しています。これによりネットワーク環境およびクラスターサーバーの自動構成を行い、AWS上のクラスター環境を簡単に構築する事が可能です。今回はこのクイックスタートの使用方法をご紹介します。(※AWSの各サービスの利用料が掛かります)
クイックスタートの操作手順
操作ステップは以下の通りです。
※作業の詳細は、別途ガイド(https://fwd.aws/XXMrX)があります。そちらを参照してください。
- LifeKeeperライセンスの用意
- LifeKeeperライセンスの配置
- AWSアカウントの用意
- マーケットプレイスでSIOSのインスタンスを許可
- EC2キーペアの用意
- クイックスタート実行
- 踏み台サーバーへのログイン&GUI用ソフトウェアの導入
- クラスターサーバーへのログイン
各項目について説明します。
1. LifeKeeperライセンスの用意
最初にLifeKeeperのライセンスを用意します。製品評価のためのライセンス一次利用をご希望の場合は、以下のURLから必要事項を入力して申請してください。
https://mk.sios.jp/BC_DL_Evaluation.html
2. LifeKeeperライセンスの配置
ライセンスファイルが届いたら、ライセンスファイルの拡張を「.txt」から「.lic」に変更します。拡張子変更済みのライセンスファイルをクラスターサーバーから参照可能な場所(インターネット上)に配置します。本手順では、S3上に配置しました。FTPサーバー等でも結構です。
3. AWSアカウントの用意
AWSのアカウントを用意します。アカウントの作成方法は以下をご参照ください。
https://aws.amazon.com/jp/register-flow/
4. マーケットプレイスでSIOSのインスタンスを許可
以下のURLからLifeKeeperも含むEC2を利用のために申し込みをします。
https://aws.amazon.com/marketplace/pp/B07CK288BC
以下のように進めます。
※上記画面で利用可能なリージョンが表示されます。(Tokyoリージョンを含む)表示されないリージョンについては、本クイックスタートは利用できません。予めご注意ください。
5. EC2キーペアの用意
EC2™インスタンスアクセス用のキーペアを作成します。
※前項目で記載したとおり本クイックスタートは、Tokyoリージョンでは使用できません。利用可能なリージョンでキーペアを作成します。
キーペアの作成方法は以下をご参照ください。
6. クイックスタート実行
準備が出来たら、デプロイメントガイド(https://fwd.aws/XXMrX)の「Step 3.Launch the Quick Start」(Page6)を開き、Launchボタンをクリックしてクイックスタートを実行します。
上記のボタンをクリックするとAWS CloudFormationのスタック作成画面が立ち上がります。
※キーペアを作成したリージョンの画面か確認してください。異なる場合は、キーペアを作成したリージョンに移動してください。
すでに、クイックスタート用のテンプレートが指定されている状態ですので、そのまま次に進みます。
ここでエラーが表示される場合は、Launchボタンを押す前にAWS CloudFormationの画面にログインしておくと成功する場合があります。それでも解決しない場合はCloudFormationのエラーをブラウザで検索して解決方法を確認してください。
次に、構成に必要な情報を入力します。
ここで指定するパラメーターのうちいくつかは、要件に応じて変更可能です。今回は、基本的にデフォルトの入力値を使用しました。
パラメーター | 値 | 参考 |
Availability zone | us-east-1a | 同リージョン内のAvailability zoneを2つ選択します。前の画面で利用するリージョンにログインしておく必要があります。 |
Allowed bastion external access CIDR | 0.0.0.0/0 | アクセスを許可するアドレス範囲を指定します。今回は検証のため、制限はしていません。 |
Key pair name | (キーペア名) | 項目4で作成したキーペアを指定します。 |
new root password | (任意の文字列) | クラスターサーバーのパスワードを半角英数字8~16文字で指定します。 |
License model for SIOS AMI | BYOL | 利用可能なのはBYOLのみとなります。 |
SIOS Protection Suite license URL | (URL) | 項目2で配置したライセンスファイルのURLを入力します。 |
Optional Windows jumpbox instance type | t2.medium | インスタンスタイプを指定するとWindowsベースの踏み台サーバーを利用することが可能です。必須ではありませんが、今回はこの踏み台サーバーを利用します。 |
パラメーターを設定したら次に進みます。
このページでは何も指定せずに次に進みます。
この画面では、2つのチェックボックスにチェックを入れて次に進むとスタックが実行されます。スタックの完了(1時間程度)を待ちます。常に見ている必要はありませんので、その間は他の事を行っても問題ありません。
成功した場合、スタックの一覧画面では以下のように表示されます。
これでクラスター環境の作成が完了です。デフォルトで作成した場合は、以下の環境が作成されます。なお、踏み台サーバーはPublic Subnetに配置されます。
7. 踏み台サーバーへのログイン & GUI用ソフトウェアの導入
クラスター環境が作成出来たら、踏み台サーバーへログインしてみます。AWSマネジメントコンソールのEC2の画面からWindowsの踏み台サーバー(タグ名はSPS-L-Jumpbox)にRDP接続します。Windowsインスタンスへの接続方法については以下のURLをご参照ください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/WindowsGuide/connecting_to_windows_instance.html
接続した踏み台サーバーからクラスターサーバーへ接続して操作するためのSSHクライアント、およびLifeKeeper GUI表示用のXsever等を用意します。
<用意するもの>
VcXsrv:LifeKeeper GUIの表示に必要 :Webサイトから取得
PuTTy:CUI操作で必要 :Webサイトから取得
PuTTyGen:キーペアの変換に必要 :Webサイトから取得
キーペア:インスタンスのログインに必要 :項目5の「EC2キーペアの用意」で
作成済みのキーペア
上記を取得したら、踏み台サーバー上で以下の操作を行います。
(a)上記<用意するもの>の全てをクラスターサーバーの任意の場所に配置します。
(b)VcXsrvとPuTTyをインストールします。
※インストール時の項目は全てデフォルト
(c)PuTTyGenを使ってキーペアのファイル形式を変更します。
※.pemファイルから.ppkファイルに変更します。
(d)VcXsrvを起動します。
(e)PuTTyを起動します。
8. クラスターサーバーへのログイン
PuTTyを利用してrootユーザーでクラスターサーバーに接続します。パスワードは、項目6で指定した文字列です。ログインする際、X転送有効化のチェックを付け忘れないように注意してください。
ログインしたら、LifeKeeper GUIを起動するlkGUIappコマンドを実行します。
# lkGUIapp |
ユーザー名(root)とパスワード(rootユーザーのパスワード)を入力します。
LifeKeeperのGUIが表示されます。クラスターノード間ですでにコミュニケーションパス(1経路のみ)が設定されており、共有の領域としてDataKeeperリソースも作成済みとなります。
以上でクイックスタートの作業は全て完了です。
この環境でさらにアプリケーションを保護し、動作確認をしていただく事も可能です。色々と試してみてはいかがでしょうか。
なお、今回ご紹介したクイックスタートはAWSのページで紹介されています。このクイックスタートの詳細を確認したい方は、以下のURLをご参照ください。
新しいクイックスタートを使用した SIOS Protection Suite for Linux on AWS のデプロイ
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