米国サイオスのカスタマーエクスペリエンス担当が語る、2021年「可用性」の予想

    米国SIOS Technologyのカスタマーエクスペリエンス担当Vice presidentであるCassius Rhue(カシアス・ルー)が、2021年の予測を語ります。クラウド移行を阻む要因や、その解決策について解説しています。

    ※この記事は英文サイト「TFIR」にて公開された記事を翻訳したものです。
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    SIOS Technologyについて

    Swapnil Bhartiya: こんにちは、ホストのSwapnil Bhartiya(スワプニル・バルティヤ)です。今日は、SIOS Technologyのカスタマーエクスペリエンス担当VPのCassie Rhueさんをお迎えしています。Cassiusは未来を占う水晶玉を持っており、多くの企業がミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドに移行している中で、災害復旧と高可用性の観点から、世界がどのようになるのかを垣間見せてくれるそうです。しかしその前に、SIOS Technologyについて少し教えていただきたいと思います。同社は顧客のためにどのような問題を解決しているのでしょうか?

    Cassius Rhue: SIOSはエンドユーザーの生産性を維持し、ダウンタイムを最小限に抑え、データベースやSAPのような複雑なアプリケーションを管理しています。また、これらのアプリケーションが継続的に実行できるようにし、手動のタスクを自動化し、スタック全体を監視します。つまり私たちがやっていることは、エンドユーザーがリカバリー、監視、そして可用性の自動化を気にしなくてもよくすることです。そしてこれこそが、業界で高可用性と災害復旧と呼ばれているものです。私たちはダウンタイムをなくす仕事をしています。

    クラウドへの移行を阻むものとは

    Swapnil Bhartiya: さて、いよいよ未来を見通していただきましょう。現在のトレンドを見ると、より多くの企業がより多くのミッションクリティカルなアプリケーション、RPS、データベースをクラウドに移行していくことが予想されます。つまり、すべてのものがクラウドに移行するのではないかと思われます。一方で、この進展を遅らせている主な要因は何だと思いますか?

    Cassius Rhue: クラウドへの移行を遅らせたり、そのサイクルを中断させたりする最大の要因の1つは、計画の欠如だと思います。つまり、高可用性と災害復旧のための計画を立てていなかったり、顧客や企業がDIYのアプローチを選択したりして、やり方を考えながら進めているということです。このようなことが原因で、企業は可用性の確保を忘れていたり、実際のシナリオをテストしていなかったことに気付き、遅延につながります。


    クラウドに移行すると突然、生産的にデプロイメントができ、ダウンタイムのリスクを軽減するような方法で計画を立てていなかったなど、準備が整っていないことに気づかされます。また、クラウドへのリフト&シフトの移行がどのようなものかを誤解していたことにより、課題が生じることもあります。
    リフト&シフトとは、オンプレミス環境をそのままクラウドに移行するという意味ではありません。オンプレミスとクラウドの間には多くの違いがあるので、企業はこれを理解し、よく考えなければなりません。そしてソリューションを設計し、計画する必要があります。ロードバランシングを実装しているかどうかに関係なく、IPをオーバーレイします。オンプレミス環境にあったNFSをEFSやAmazonのEC2のようなもので代用できるのかなど、クラウドで利用できるものは何かを理解しておく必要があります。

    そしてクラウドに移行する際には、オンプレミス環境とのトレードオフがあることも理解しておかなければなりません。制御やアクセスに関するトレードオフを理解して計画を立てておかないと、顧客・企業の2021年のクラウドへの移行には、遅延が生じるでしょう。

    課題解決への道

    Swapnil Bhartiya: クラウドの採用が主流となり、企業がクラウドへの移行を加速させる中で、企業はビジネス継続性、データ復旧、災害復旧に関する長年の課題を企業はどのように解決していくのでしょうか。

    Cassius Rhue: クラウドの採用が進み、企業のイノベーションを形にして推進していく中で、災害復旧のためのハイブリッドクラウドソリューションがさらに増えると思います。顧客は、クラウドの障害や、アプリケーションの可用性を維持することがいかに重要であるかを認識するようになり、ワークロードの一部でオンプレミスとクラウドを活用しようとするでしょう。

    また、企業はハイブリッドクラウドやマルチクラウドを活用し、自社の戦略の一環として、特定のワークロードを実行するために最高レベルのものを選び始めようになると予想されます。また、DIYのクラスタリングソリューションのようなものに時間を浪費するのをやめ、LinuxまたはWindows用のSIOS Protection Suite製品ラインのような、目的に合わせて構築されたソリューションやプロフェッショナルグレードの商用ソリューションへと移行していくことになるでしょう。この商用グレードのクラウドやOSに依存しないソリューションを活用することで、企業はリソースを解放し、ビジネス、DevOpsソリューション、自分たちのビジネスの最適化に役立つ業務に集中できるようになります。

    また、高可用性と災害復旧には、アプリケーション、データベース、SAPなどのあらゆる複雑なソリューションの高可用性を1つのフレームワークで実現可能な、独自のソリューションを用いるようになると思います。

    アップタイムの重要性

    Swapnil Bhartiya: さて次に、アップタイムの話をしないわけにはいきません。企業が重要なデータをエッジからクラウドに移行する際に、特にデータベースやERPシステムにとって、アップタイムはどれほど重要になると思いますか?

    Cassius Rhue: 一昔前までは、ITインフラといえば、ハードウェアとそれを管理する専門家のことだと考えられていました。しかし、モノのインターネット(IoT)の出現や、あらゆるエッジデバイスや多くのアプリケーションがクラウドに移行し、膨大な量のデータが処理されるようになったことで、データが王者として台頭してきています。そして企業は、単に可用性を確保するだけでなく、それ以上のもの、データを保護するものを本当に求めています。

    さらに企業は自社のソリューションにおいて、エンドユーザーや企業が気にするアップタイムの増加だけでなく、データへのアクセスと安全性を確保し、データ自体の可用性を高めることにも関心を持つようになるでしょう。なぜなら、それは企業が前進する上で最も重要なことになるからです。企業は、アプリケーションやデータの可用性を確保したいと考えています。そうすることで、データをマイニングできるようになり、より良いソリューションや優れた顧客体験を創出できるようになるからです。

    まとめ

    • 2021年には、ミッションクリティカルなアプリケーション、ERP、データベースをクラウドに移行する企業が増えると予測されるが、高可用性(HA)と災害復旧の計画の不足により遅延するだろう。
    • 自分自身で構築する(DIYの)クラスタリングから脱却して、特にHAと災害復旧のための専用ソリューション、プロ仕様の商用ソリューションへと移行するだろう。
    • 自社のソリューションが、アップタイムを向上させるだけでなく、データの安全性と可用性を確保できるよう徹底するようになる。

    最後に

    SIOS Technology の高可用性および災害復旧ソリューションは、物理、仮想、クラウド、ハイブリッドクラウド環境で動作する重要なWindowsおよびLinuxアプリケーションの可用性を確保し、データの損失を排除します。

    SIOSクラスタリングソフトウェア「Lifekeeper」は、高度な回復力を必要とするアプリケーションを搭載したITインフラに不可欠であり、パフォーマンスやデータを犠牲にすることなく稼働時間を確保し、計画的・計画外のローカル障害や地域的な停電からビジネスを保護します。