サイオステクノロジー海外拠点の事例のご紹介です。
3ノード構成においてDataKeeperとWSFCでSQL Serverを保護し高可用性(HA)保護と災害復旧(DR)保護の両方を提供しました。
民間の非営利組織であるALYN Hospitalは世界有数の小児リハビリテーション病院です。
政府による厳しい規制を限られた予算でクリアするために選択した方法とは?詳しくご紹介していきましょう。
費用対効果とアプリケーションに依存しない設計を評価し、SIOSを選択
「SIOSには、総所有コストが非常に低く、キャリアグレードの機能を提供してくれるソリューションがありました。私たちにとって、これは当然の選択でした。」
- ALYN Hospital ITディレクター Uri Inbar氏
ALYN Hospital(www.alyn.org)は、世界有数の小児リハビリテーション病院です。
この種の施設としてはイスラエルで唯一の病院であるALYNは、先天的、後天的な身体障害を持つ乳幼児、子供、青年の診断とリハビリテーションを専門としています。
ALYNで治療を受けている子供たちは、イスラエル国内および海外から来院しており、幅広い医療サービス、救急医療、最先端のリハビリテーションサービスを提供する学際的なチームによる優れた治療を受けています。
Contents
アプリケーション環境
ALYN HospitalのIT部門では、仮想化されたMicrosoft Windows Server環境でさまざまなアプリケーションを運用しています。そのアプリケーションの中で最も重要なのは、電子カルテ、顧客関係管理、SQL Serverデータベース、Exchange、Officeなどです。
「病院として、私たちは政府によるかなり厳しい規制の対象となっているため、多くのアプリケーションに強力な事業継続対策を導入する必要がありました」と、ALYNのITディレクターであるUri Inbar氏は説明します。
MicrosoftのHyper-Vハイパーバイザーに不可欠なHyper-V レプリカは、同病院の事業継続性に対するニーズを考えると、当然の選択でした。IT部門は、物理的に分離された2つのサーバールームをオンプレミスで運用しており、これによりHyper-Vホストサーバーで実行されている重要な仮想マシンを他方のサーバールームにある別のサーバーに複製することができます。
「この構成では目標復旧時点(RPO)と目標復旧時間(RTO)を達成するのに本当に苦労していたので、他の選択肢がないかどうか、調査を開始しました」と、Inbar氏は振り返ります。
課題
民間の非営利組織であるALYN Hospitalは、政府からの資金援助やその他の補助金を一切受けていません。そのためIT部門は、患者の家族のために医療費を抑えられるよう、限られた予算で運営することを求められています。そのような中、費用対効果の高い選択肢はWindows Server フェールオーバー クラスタリングでした。しかしWSFC は共有ストレージを利用しており、ALYNにはストレージエリアネットワークがなかったため、両方のサーバールームに同一のSANを実装することはコスト的に困難でした。既存のインフラの一部を利用できるオプションを求めて、Inbar氏は調査対象をサードパーティのソリューションへと拡大しました。
評価
サードパーティのフェールオーバークラスタリングソフトウェアを評価するために、Inbar氏は3つの基準を設定しました。
まず、既存のハードウェアで動作するソリューションであること。2つ目は、病院のすべての重要なアプリケーションに対して、高可用性(HA)保護と災害復旧(DR)保護の両方を提供すること。
最後に、総コストが部門の限られた予算内に収まること。同病院には、この3点を満たすソリューションが必要でした。
ITスタッフはすぐに対象のサードパーティ製品を2つに絞り込み、両方を慎重に評価した結果、すべての基準を満たしているのはそのうちの1つのみであることがわかりました。それがSIOSのDataKeeperでした。 「費用対効果の高いソリューションが必要でしたが、品質や機能は絶対に犠牲にしないと決めていました」とInbar氏は強調します。
「SIOSには、総所有コストが非常に低く、キャリアグレードの機能を提供するソリューションがありました。私たちにとって、これは当然の選択でした。」
ソリューション
SIOS DataKeeperは、費用対効果の高い単一のソリューションでHAとDR両方の保護を提供することを目的として構築されているため、ALYN Hospitalのニーズに対応できます。
これは、リアルタイムのブロックレベルのデータレプリケーションと、アプリケーションレベルの継続的な監視、柔軟なフェールオーバー/フェールバックポリシーを組み合わせたトータルソリューションで、導入と管理も容易です。WSFCを活用することで、SIOS DataKeeperは既存の環境との互換性を維持し、システム管理者にとっても親しみやすくなっています。そのため、比較的短い学習期間で、ITスタッフはすべてのアプリケーションのHA設定を素早く完了させることができました。
1つのアクティブインスタンスと2つのスタンバイインスタンスを備えた3ノードのSANLessフェールオーバークラスターを作成する機能は、ALYNのニーズにとって特に価値があることがわかりました。「私たちはシステムやソフトウェアを継続的に更新していますが、DataKeeperを使用することで、運用を中断することなく更新作業を行うことができます」とInbar氏は述べています。
データレプリケーションは複数のスタンバイシステムをサポートしており、アクティブインスタンスとスタンバイインスタンスを手動で動的に割り当てることができるため、アクティブインスタンスを3ノードクラスター内の任意のサーバーに移動することにより、ハードウェアとソフトウェアの定期メンテナンス中も完全に保護された状態を維持することができます。
3ノード構成には別のメリットもあります。2ノードクラスター内の1つのスタンバイインスタンスのみで安全に保護できるアプリケーションでもファイル監視は必要なので、3番目のノードの作成は信頼性の高い運用に不可欠です。
3ノード構成のアクティブまたはスタンバイインスタンスが使用しているホストサーバー上で実行されている仮想マシンにこれらのファイル監視を配置することで、すべてのクラスターの要素を適切に管理し、高可用性を確保できます。
あらゆるタイプのストレージとの連携やWANに最適化されたデータレプリケーションなど、その他のSIOS DataKeeperの機能もALYNのニーズにとって重要な機能です。「SIOSのクラスターはWindowsが認識するあらゆるストレージボリュームをシームレスにサポートしているため、運用が大幅に簡素化され、ストレージリソースをすべて活用できるようになりました」とInbar氏は言います。
今後Inbar氏と彼のチームがリモートの災害復旧サイトを構築する際には、WANの最適化が有用であることが証明されるでしょう。
高いトランザクション・スループット性能を維持するには、WAN間のデータレプリケーションを非同期で行う必要があります。SIOS DataKeeperは特殊な手法を利用してデータ転送を最適化しているため、かなり厳しいRPOおよびRTOも満たすことのできるDR保護を実現します。
結果
SIOS DataKeeperソリューションは現在、ALYN Hospitalのすべてのミッションクリティカルなアプリケーションに高可用性保護を提供しています。これまでのところ、実際の障害は1回しか起きていませんが(「オペレーターのミス」が原因)、Inbar氏はSIOSのSANlessフェールオーバークラスターが必要なときに必要な性能を発揮してくれると確信しています。
「構成を定期的にテストし、アクティブとスタンバイの指定を日常的に変更しながら、ソフトウェアの定期アップデート中に必要に応じてデータレプリケーションをリダイレクトしていますが、アプリケーションは中断することなく継続して実行されています。問題なく動いていて、それがとても心強いです。」