2021年に高可用性ソリューションがもたらす4つの変化

    寄稿:米国サイオス VP  Cassius Rhue
    ※この記事は翻訳されたものです。本記事の原文はこちら

    2020年は、不確実性の高い年でした。作家であり、リーダーシップに関する著名な専門家であるCarey Nieuwhof氏は次のように指摘しています。

    今年はとても不安定な一年でした。貧しい人はより貧しくなり、お金持ちはよりより豊かになりました。ダウンタウンの中心部では商業用不動産の空室率が急上昇し、株式市場は過去最高値まで上昇しています。一方で、経済のあらゆるセクターは消滅の危機に瀕しています。

    また、健全な企業は、2019年末からの一般的な基準や綿密な計画を捨て、2020年のパンデミック下で新たなチャンスを掴むために、配分やリソースをシフトした年でもありました。企業のアップタイムの敵である停電は、誰も予想していなかった形での発生が続きました。山火事が都市や州、地域を破壊し、オーストラリアでは1,235万エーカーもの土地が焦土になるとは、誰も予想していませんでした。熱帯低気圧のシーズンには英語のアルファベットの数を上回るハリケーンが襲来し、ついに28番目となるハリケーン(「Eta」)が襲来するなど多くの人が予測できず、私もそのうちの一人でした。また私は、その可能性を排除することはなかったとはいえ、建設工事、サイバー攻撃、ソフトウェアの欠陥、その他の人為的な災害によって、世界中の企業の可用性が損なわれることも予測できませんでした。

    2020年に影響のあった他のすべての分野に加えて、コロナ危機は高可用性の分野でも新たなシナリオの進行を加速させました。Carey Nieuwhof氏は、ここでも「危機は加速装置である」と指摘しています。2021年に見られた変化「フィットネス、学校教育、仕事、ショッピング、エンターテインメント、教会の新しい拠点としての家庭の台頭」「より多くのアプリケーションや環境のクラウドへの移行、オンプレミスとクラウドの新しいハイブリッド環境の誕生」「公衆衛生や研究を中心とした新しいアプリケーションやサービスの開発」は「いずれにしてもいつか到来する場所」であり、危機によって到来が早まっただけでした。

    高可用性ソリューションが今後数年間にもたらす4つの変化

    オンプレミスの拡大

    クラウドは今後も勢いを増して拡大していくと予測されますが、2020年の経済の不確実さにより、一部の業界ではクラウドに移行するための資金力が低下している可能性があります。 さらにSaaSソリューションがランサムウェアに狙われていることによるセキュリティ上の懸念、コスト構造の変化、コンプライアンス規制などが、わずかに残っていたオンプレミスへの支持を再燃させています。そしてCIOやCTOが関係者の不安を解消したり、オンプレミス環境の維持や再活用の計画を調整したりしている間に、一部のクラウド移行に遅れが生じています。

    お使いのHAソリューションには、残っているオンプレミス環境に対応できる機能とキャパシティはありますか?ご利用のプロバイダーはクラウドに移行するだけで、vSphere、Hyper-V、ベアメタルのシステムなどには見向きもしなくなっていないでしょうか? 

    ハイブリッド

    一部の業界は引き続きオンプレミスのみにこだわるかもしれませんが、おそらく皆さんの業界はそうではないでしょう。2020年にクラウドへの移行を開始し、2021年もその作業は継続していると思います。しかし、先述のオンプレミスのみのグループのように、2021年から来年にかけては、クラウドに移行しないアプリケーションやチームもあるでしょう。その結果、今後数年間は、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境が主流になると考えられます。

    ご利用のHAソリューションは、両方の領域のアプリケーションを保護する機能を備えていますか?また、クラウドやオンプレミスでの保護だけでなく、その両方にまたがる機能はどうでしょうか。ソリューションはクラウドでは利用できない共有ストレージに依存しているのか、レプリケーションはオンプレミスのSANを利用できないといったことはないでしょうか。それとも両方に対応しているでしょうか。

    クラウドのみ

    経済の好転に伴い、アップタイムの最大化、支出の削減、ビジネスSLAの確実な遵守には、賢明な考え方と堅牢なソリューションが必要となりました。多くの企業は一瞬のうちにクラウド計画を驚くほど加速させ、2020年のクラウドブームに加わることになりました。サービスをオンプレミスからクラウドに移行し、より高い柔軟性、拡張性、ハードウェアの高速性を活用できるようになった今、もう後戻りはできません。

    ご利用中のHAソフトウェア、アーキテクチャおよびソリューションは、ワークロードを新しい場所に適応させて調整する際に、スピード、明瞭性、および効率性を維持することができるでしょうか? 

    ハイブリッドクラウド

    私はSIOS Technology Corp.のカスタマーエクスペリエンス担当バイスプレジデントとして、2020年には当社のチームと共に、AWSAzureの両方にワークロードを移行する企業を支援してきました。オンプレミスとクラウドのハイブリッドモデルが2021年も引き続き存在するように、ハイブリッドクラウドもあると思います。企業は、AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスを企業内で活用するだけでなく、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて利用することになるでしょう。 

    2019年のIDCの記事で述べられているように、ハイブリッドクラウドプラットフォームを使いたいという希望により、「企業はワークロードに最適なソリューションを選択し、ビジネスクリティカルな次世代ワークロードを最適に展開し、デジタルトランスフォーメーションをうまく進めることができるようになります。」

    つまり、高可用性ソフトウェアを使う際は、これまで説明したようなさまざまさな環境のインフラサービスを、自社のワークロードに合った最適な形でコーディネートする方法を把握する必要があります。複数のツールを導入することはコストがかかり、逆効果になる可能性があります。ご利用のHAソリューションは、その違いを理解し、オーバーレイIPや内部ロードバランサー、ベンダーごとに異なる構成要素間のギャップを埋めることができるでしょうか?

    さいごに

    「偉大なイノベーションは、大きな危機から生まれる」と、作家のCarey Nieuwhof氏は述べていますが、2020年は危機とイノベーションの両方が起きた年でした。SIOSの代表取締役社長 喜多伸夫は最近、「新型コロナウイルスは、世界のIT支出にプラスとマイナスの両方の影響を与えている」と指摘しています。「プラス面は、ニューノーマルの状況下でもパフォーマンスを向上させたい組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させている点、マイナス面は、IT投資の削減や抑制が顕在化している点です。」

    もし、ご利用中のHAソリューションが2020年のトレンドに対応できていなかった場合は、サイオスのチームまでご連絡ください。専門家によるサービス、サポート、アプリケーションのプロフェッショナルによってバックアップされたHAクラスタリングソフト「LifeKeeper」が、2020年の逆境から生まれたイノベーションと、2021年以降に生じるチャンスを活用するのにどのように役立つかをご案内いたします。

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