2017年8月29日に、『OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法』セミナーが開催されました。
セミナー第1部「災害による重要業務データ消失を防ぐクラウドDRサイト」の主要トピックについてレポートします。
第1部 災害による重要業務データ消失を防ぐクラウドDRサイト
今回は「近年発生している災害状況」「バックアップの重要性」「DR対策」などについて紹介します。
大企業だけではない「止められないシステム」「消えては困るデータ」
中小企業も業務の中心は、ほぼすべてコンピュータ化されており、「止められないシステム」「消えては困るデータ」は、もはや大企業だけのものではありません。
身近に発生する災害リスク—リスクは毎年増大する傾向
近年、大規模災害が頻発しており、企業に対して非常に大きなリスクになりつつあります。そこで災害がITシステムに与える影響について説明します。
地震
地震は、2011年の東日本大震災を契機として、震度5以上の地震が数多く発生しています。
水害
最近では、九州北部豪雨などの発生もあり、「一晩で平年の1ヶ月程度の雨が降った」というようなニュースが増えています。「完全にクラウド(データセンター)に移行済み」「オンプレサーバルームが高層階にある」状態ならリスクは低くなります。しかし、特に中小企業では、1階にオンプレサーバが設置してある状況も多く、稼働しているサーバが水に浸かってしまえば、サービス停止のリスクがあります。
火災
大地震などにより災害型火災が発生すると、水害よりも大きな被害になります。発生確率としては水害よりも低めですが、考慮すべき災害です。
虫獣害
「オンプレサーバの中に害虫が入り込んでショートして故障した」という事案も発生しています。
落雷・停電
サーバにUPSを使用しているケースが多いと思います。しかし、UPSも100%安全ではありません。どのようなリスクがあるのかについては未知数です。落雷についても、リスクのうちの1つとして考慮する必要があると思います。
消火活動等の水害
「同じビルに入っている別オフィスで火災が発生してスプリンクラーが作動」や「上階で火災が発生して消火活動の水が下に落ちてくる」などで、サーバが水に浸る二次的水害もありえます。これは見落としがちな被害ですが、発生しうるリスクとして捉えるべきものです。
重要性が高まる災害対策
今後の発生が予測される大災害
「南海トラフ巨大地震」や「首都直下型地震」など、いつ発生してもおかしくない災害リスクは増加しています。
このようなリスクの高まりから、中小企業でも、BCP(事業継続計画)策定など、これらのリスクに対する現実的な備えが必要になっています。
クラウドでDR(ディザスタリカバリ)サイト構築
災害時でも業務継続を行えるDRサイト構築は必要であるという認識は高まっていると思います。しかし、「費用面」「構築方法」「経営層への説得」などの数々の問題があり、なかなか進めない現実があります。そこで今回は、『オンプレメインの場合、DRサイトをクラウド上に構築してみませんか?』というご提案です。
クラウド利用の主なメリット
クラウド利用の主なメリットとして次のようなものがあります。
・初期投資は安く上がる(物理マシンを購入する必要がない)
・災害に強い
・早期復旧が可能(オンプレより早急復旧の可能性が高い)
・サーバ機器のリプレースが不要
スタンバイサイトでのクラウド運用提案
アクティブスタンバイ方式にして、スタンバイ側をクラウドにすれば、クラウドを扱ったことがない情シスの方でも、比較的余裕のある運用が可能です。まず、このような環境からクラウドへ取り組むというご提案もしています。
結び
災害の多い日本だからこそ、しっかりとしたBCP対策が必要です。ぜひご参考ください。
講演資料
本セミナーの講演資料は、こちらからダウンロードできます。
→マジセミ →OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法
【目次】クラウドDRサイト構築セミナー
- (第1部)災害による重要業務データ消失を防ぐクラウドDRサイト
- (第2部)クラウド環境「Alibaba Cloud」で必要時のみ作成するDR環境
- (第3部)DRBDによるDRサイトとのデータ同期