クラウド環境でシステム障害による機会損失を防ぐ方法とは?

    情報システムは、言わずもがなですが企業を支える骨格です。たとえFAXによって取引先とやり取りする古典的な“システム”だったとしても、FAXの機器が故障したら受発注に支障をきたすのは明らかです。それが高度に複雑化した情報システムであれば、その故障の影響は計り知れないものがあります。

    システム障害発生時の損害

    少し前のニュースですが、2017年6月にこんなことがありました。大手ファッションECサイトでシステム障害が発生して、約26時間にわたりサービスの提供ができなくなったのです。原因は外部からの攻撃などではなく、データベース上のトラブルとのこと。そのECサイトの当時の年間売上高から計算すると、1日の売上は1億8000万円にも上ります。システム障害により、直接的に億単位の機会損失が生まれてしまうのです。

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    ECサイトを運営するような企業にとっては、情報システムにトラブルが起きるのは致命的です。直接的な機会損失はもとより、トラブルが顧客離れを招くようなことになったら、文字通りの死活問題になります。業種や業態は異なっても、ミッションクリティカルな情報システムになればなるほど、可用性を高めて安定した運用が求められます。

    まずどのシステムをクラウドに移行させるかを決める

    情報システムの構築の仕方は、自前でハードウエアやソフトウエアを保有するオンプレミスから、事業者が提供するパブリッククラウドサービスの利用へと、着実にシフトしています。情報システムの可用性と運用性を考えたときに、今後はオンプレミスにおける対応だけでなく、クラウドへの移行を視野に入れておく必要があるといえます。

     情報システムをオンプレミスからパブリッククラウドサービスに移行するといっても、その際のクラウドの利用形態は企業によっても違いますし、情報システムの位置付けもプロジェクトによって異なります。さらに、クラウド移行後の運用面での安定性や信頼性を高める方法も、クラウドの使い方によってさまざまです。

     自動車でたとえれば、大きな荷物を運ぶときにスポーツカーは不向きですし、格式の高いセダンは大人数の乗車には対応できません。高価な自動車だからといってすべての用途を満たすわけではなく、低コストで小回りの効く軽自動車がフィットする用途もあることはご存知の通りです。クラウドに移行する際の運用対策も、むやみに対策を施してもミスマッチが生じることがあります。どのシステムをクラウドに移行させるのかを決定し、必要に応じた機能を備えるソリューションを導入すると良いでしょう。

    システムに合致した障害対策を

    例えばクラウドが本稼働になると障害でサービスを止めることにリスクが生じるため、可用性を確保する必要が出てきます。サイオステクノロジーでは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のアプリケーション監視/復旧を自動的に行う「SIOS Coati」を提供。SIOS Coatiを導入すると、AWSの仮想サーバーであるEC2上で稼働しているアプリケーションを監視し、トラブルが起きた場合にはアプリケーションを再起動するなどの方法で自動的に復旧してくれます。情報システム担当者が常に目を見張っていなくても、トラブルから自動復旧してくれるのです。そのため、コストを抑えたい社内向けシステムの可用性確保に最適なソリューションとなっています。

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    また、全社の情報システムがクラウドに移行するケースでは、稼働系と待機系のスムーズな切り替え、リージョンをまたいだサーバーのクラスタリングなどへの対応が求められます。高度な安定運用を実現するために、サイオステクノロジーでは高可用性を担保するHAクラスターソフト「LifeKeeper」やデータレプリケーションソフト「DataKeeper」を提供。ミッションクリティカルなシステムをしっかりと支えます。

     このように、クラウド環境ではさまざまな視点から適材適所のソリューションを見極めて、障害対策を準備しておくことが求められるのです。

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