Windows版のJP1/AJS3がAWS Route53によるルーティング方式のサポートを開始

    みなさんこんにちは、サイオステクノロジーの西下です。今回は、Windows版のJP1/AJS3 – ManagerおよびAgentが、AWSのRoute53によるルーティング方式のサポートを開始したことをご案内致します。

     当社のHAクラスター製品「LifeKeeper」は、統合システム運用管理ツールのJP1のジョブ管理製品のJP1/AJS3向けに、専用のリカバリキットのラインナップをご用意しております。これらを使うことで、制御スクリプトの開発無しでGUI操作だけでHAクラスターを構築いただけます。

    JP1/AJS3専用のリカバリキットのラインナップ

    ・Generic ARK for JP1/AJS3 Manager
    ・Generic ARK for JP1/AJS3 Agent

    ジョブ管理には高い可用性が求められるため、LifeKeeperと組み合わせた冗長構成は、オンプレミスからクラウドまで長年多くのお客様にご採用いただいています。

    JP1/AJS3はAWS(Amazon EC2)をサポートしており、LifeKeeperもデータレプリケーション製品のDataKeeperと組み合わせることで、AWS上でのJP1/AJS3をサポートしており、既に多くの導入実績があります。但し、これまではルーティング制御については「VIP(仮想IP)方式」のみがJP1/AJS3が公開しているサポート対象でした。

    <VIP方式によるルーティング制御の概念図(Transit GatewayとVIP方式を組み合わせた例)>

     

       

    2022年2月からLinux版のJP1/AJS3がこれまでのVIP方式に加えて、Route53による制御のサポートが開始されました(5月に公開されたLinux環境のブログ記事はこちら)。

    更に2022年8月からはWindows版のJP1/AJS3がこれまでのVIP方式に加えて、Route53による制御(DNSのAレコード書き換え方式)のサポートが開始されました(Windows Server 2016と2019のみが対象)。

    ※JP1の詳細な要件はJP1のサポートマトリックスをご参照下さい。
    https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/jp1/product/jp1/environment/clst_on_cloud/index.html

    Amazon EC2上でJP1/AJS3を冗長化する場合、VIP方式では対応できないケースも少なからずあります。例えば上記の例のように、クライアントがVPCの外にある場合でVIP方式を使うにはTransit Gatewayが必要になりますが、環境の事情でTransit Gatewayが使えないケースもあります。このようなケースではRoute53(DNS)方式による制御が必要になります。

    今回Route53(DNS)方式がサポートされたことで、構成の選択肢が広がりました。

    <Route53(DNS)方式によるルーティング制御の概念図>

     

    当社ではWindows版のJP1/AJS3をLifeKeeperのRoute53(DNS)方式による冗長構成で検証を行い、問題なく動作することを確認しました。JP1の論理ホストを稼働系と待機系にそれぞれ立てて、論理ホストが切り替わっても問題なくクライアントから接続可能です。テスト構成やテスト手順は、こちらのフォームからダウンロードいただけます。

    Amazon EC2 環境で Route53 を利用し、Windows 版の JP1/AJS3 – Manager および Agent をLifeKeeper で冗長化する手順となります。

    検証環境のイメージは下記のとおりです。

    ①JP1/AJS3-View と JP1/AJS3 – Manager の相関図

    ② JP1/AJS3 – Manager と JP1/AJS3 – Agent の相関図

    なお、Route53(DNS)方式によるルーティング制御では、一部のJP1の機能が制約を受ける可能性があります。詳しくは日立製作所様またはJP1販売パートナー様までご確認をお願いいたします。

     

    LifeKeeperとJP1の評価キット 

    また、JP1とLifeKeeperをAWS上で冗長化するための評価キットを日立製作所様のサイトにて提供しております。ハンズオントレーニングで使った詳細な手順書がついておりますので、JP1案件の構成検証などにぜひお役立てください。

    手順書目次

    1. AWSで仮想環境作成
    2. LifeKeeper導入/設定
    3. DataKeeper導入と設定
    4. リソース作成
    5. Transit Gateway設定
    6. JP1導入と設定
    7. 動作確認

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